東京都と警視庁はきょう会合を開き、来月からの児童虐待防止推進月間を前に、あらためて未然防止のための連携強化を確認しました。
警視庁管内で児童虐待の被害に遭った児童の数は去年1年間で274人で、2006年と比べて4倍以上と急激に増えています。
きょう開かれたシンポジウムには警視庁や東京都、児童相談所やPTAなど、さまざまな機関が参加しました。この中で警視庁の石田高久
生活安全部長は「児童の身近にいる皆さん1人1人に児童虐待問題に対する理解を一層深めてもらい、関係機関のさらなる連携強化と
情報の共有を図ることができれば」とあいさつしました。
警視庁は虐待防止に向けて去年12月、東京都との連携を強化する確認書を締結しました。4月からは都内の全ての児童相談所に警察の
OBを配置し、虐待を未然に防ぎ早期発見するための取り組みを進めてきました。具体的には、児童相談所の相談員が対処しにくいと
される虐待を受けた子どもたちが被害届を出す際のケアや攻撃的な親への対処法など、虐待の芽を摘む事例が報告されました。
来月は厚生労働省が提唱する「児童虐待防止推進月間」で、警視庁や都では虐待ゼロに向けさらなる連携強化を図っていきたい
としています。
行政が連携して対策に乗り出す中、児童虐待に関する母親などの相談を受け付ける社会福祉法人では、依然対応に追われています。
虐待から子どもを守り親への支援を行っている「子どもの虐待防止センター」には、乳児やイヤイヤ期と呼ばれる自我が芽生えて
言うことを聞いてくれない2、3歳の子どもを持つ母親からの相談が1日に20件余り寄せられ、年間に換算すると4000件に上ります。
センターの専任相談員・青木郁美さんは「実際に子どもに手を上げてしまったことを他のお母さんたちに言えず、他のお母さんたちは
みんな楽しそうに子育てをしているのに自分だけできない駄目な母親だと、ここに電話する人も多い」と話します。
センターでは児童のみならず妊娠中の母親へのケアも求められていると話します。子どもの虐待防止センターの西沢哲理事は
「産まれて24時間以内に死亡する子どもたちが虐待で死亡する子どもの中で一番割合が高い。産まれてから手助けしようとしても
間に合わないケースが多い。週産期、妊娠期からの支援にどれだけ力を入れていくかということが大事」と話します。
妊娠中の母親へのケアなど、よりきめ細かいさらなる対策が求められている現実が浮き彫りとなっています。
TOKYO MX NEWS 2012年10月15日
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/201210156.html ・ソースに動画が有ります