【大紀元日本10月16日】
米政府機関である「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」は10日、
人権問題に関する年次報告書を発表した。
報告書では、中国国民は基本的人権の欠如に強い挫折感を抱き、社会的不満に爆発寸前の状態であると指摘。
また、宗教の自由の抑圧について、法輪功弾圧の情報を詳しく記載し、
WHOの専門家の見解とともに中国軍の病院が違法な臓器移植に関与しているとの可能性を記した。
報告書は中国国民の要求について 「政府に基本的権利を求める中国の民衆は高いリスクを背負う。
しかし、自由を求める勢いは中国社会の各階層の人々に見られ、外部の影響によるものではない」と記した。
また、今年発生した中国指導部の政治スキャンダルにも触れている。
失脚した重慶市の元トップの薄煕来氏の一件と11月に行われる予定の指導部権力交代が含まれている。
法輪功弾圧問題にも詳しく言及した。弾圧を執行する秘密警察機関「610弁公室」は引き続き、
弾圧政策を厳しく推進めているとし、法輪功関連サイトの報道内容に基づいて、
1999年7月から今年6月までに3533人の学習者が迫害により死亡したと伝えている。
また、国際人権組織アムネスティ・インターナショナルの今年度の報告書にて
「精神と肉体への拷問・虐待で、学習者に信仰の放棄を強要している」との一文を引用し、
一部の学習者は精神病院に強制収容され、精神的障害をもたらす薬物を強制的に摂取させられる上、
電気警棒による打撃、その他リンチを受けているなどとも伝えた。
今年6月に発生した、親戚訪問で中国に訪れた台湾人学習者の鐘鼎邦さんが当局に
54日間監禁された事件も取り上げた。
鐘さんはその間、脅迫や自白の強要、長時間の取り調べなどの精神の虐待を受けたとしている。
そのほか、学習者に法的支援を提供した弁護士も迫害を受けていると報告、
拘禁中の高智晟弁護士を含めて3人の名前を挙げた。
臓器狩り問題について、「近年、違法な臓器移植に関する報告や、
法輪功学習者への臓器強制摘出の告発が相次いでいる」とし、
WHOの専門家ルーシ・ノエル博士の今年5月の報告書を引用し、
人民軍の病院が違法な臓器移植に関与している可能性を指摘した。
また、中国当局による民族言語、文化、宗教信仰への制圧がますます強まっていて、
チベットやウイグル、その他の少数民族が激しく抗議しているとし、
これまでの1年間で約45人のチベット人僧侶が抗議のため焼身自殺したと伝えた。
CECCは2000年、米国議会の許可を得て発足した。
共和党下院議員クリス・スミス氏、民主党上院議員シェロード・ブラウン氏が共同代表を務める。
上院議員9人、下院議員9人、政府幹部5人から構成されている。
大紀元 (12/10/16 13:28)
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/10/html/d82135.html