日本では昨年3月に発生した東日本大震災で東京電力福島第1原子力発電所が大事故を起こして以来、反原発運動が
活発ですが、米国ではいま、エンタメ業界が中心となって、最近、米国内で産出量が急増している新エネルギー
「シェールガス」の開発に対する激しい反対運動が起こっています。
「シェールガス」とは、頁岩(けつがん)(=シェール)という地中の固い岩盤層に閉じ込められた天然ガスのことで
これまでのガス田ではない場所から生産されることから「非在来型天然ガス資源」と呼ばれています。
米国では昔から有望なエネルギーとして知られていましたが、2000年以降、地下深く井戸を掘り、ガスが
閉じ込められているシェール層に高圧の水圧をかけて割れ目を入れる「水圧破砕」と呼ばれる掘削・採取技術を確立。
生産コストが一気に下がったため開発ブームが起きているのです。生産量の急増により、液化天然ガス(LNG)の
安定供給と価格安定にも大きく貢献しています。
そのため「シェールガス」には経済成長を大きく促す力があるとの期待が高まっており、オバマ政権は
「国産エネルギーの増強」を掲げ開発を推進しています。日本でも原発停止で代替火力発電用のLNG輸入が
急増していることから、大きな期待と注目が集まっています。
ところがこの一見、良いことずくめの「シェールガス」に、元ビートルズのジョン・レノンさんの息子で
ミュージシャンのショーン・レノンさんが真っ向から異を唱えたのです。
8月27日付米紙ニューヨーク・タイムズは、父ジョンがニューヨーク州で購入した農地を含む環境が
「シェールガス」の開発で破壊されるとのショーンさんの寄稿を掲載。これが大きな波紋を広げました。
寄稿によると、この農地はニューヨーク州デラウエア郡の北端にあり、父ジョンと母オノ・ヨーコさんがショーンが
生まれる前に趣味で酪農を楽しむため購入したのだそうです。
ところが数カ月前、突然、地元の高校でガス会社が開発計画の説明会を行い「水圧破砕」でガスを生産し、一帯に
パイプラインも張り巡らせることが明らかになりました。
この計画に、農家を中心とする地元住民のほとんどが反対しましたが「会社側は意に介さず、計画を実行するようだった」
(ショーンさん)ことから、ショーンは「シェールガス」について自分で調べました。
その結果、「水圧破砕」では化学薬品を大量に使うことから「クリーンなエネルギーといわれているが、ガス井戸
1カ所につき、有害物質を含む1900万リットルもの水が必要な真に汚いエネルギーだ」と指摘。また「生産開始から
20年以内に漏れるメタンは二酸化炭素の105倍も強力な温室効果ガスだ」とし、地球温暖化にも悪影響があると
断言しました。
専門家からは採掘に伴い地震を誘発する可能性も指摘されているうえ、「水圧破砕」で使った水は大量の化学薬品を
含んでいるため、火を近づけると燃えるといいます…。
さらにショーンさんは「この農場一帯の水の汚染がニューヨーク州全体の水の汚染に直結する」と記し、「われわれの
水や生活、地球を次世代に残すため、すべての『水圧破砕』に反対する」と訴え、アンドリュー・クオモ州知事に
ニューヨーク州での開発計画の見直しを訴えました。
既にヨーコさんはクオモ州知事に7月「水圧破砕と呼ばれる方法で簡単に金儲けしようとする人々が米国の将来を
台無しにしようとしています」との内容の書簡を送っています。
・続きます
ソース : SankeiBiz(サンケイビズ) (10/14 16:15)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121014/mcb1210141616009-n1.htm 画像
http://www.sankeibiz.jp/images/news/121014/mcb1210141616009-p1.jpg つまりショーン曰く将来地層の褶曲が進んで普通のガス田になった際には自分の子孫の良い財産となる筈だったのに拙速にも周辺を掘り散らかすガス会社はけしからんと言う次第ですか?