http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/Images/b_05445442.jpg 戦後初の本格的な外航クルーズ客船として神戸で建造され、1989年に就航した「ふじ丸」(2万3235トン)が
来年6月に運航を休止することが12日、運航会社への取材で分かった。
これまでに地球約20周分の航海を続け、レジャークルーズの先駆者として約50万人を海のロマンにいざなったが、
近年は需要が減少。再開の可能性は低く、国内に4隻ある外航クルーズ客船の一角が姿を消しそうだ。(山岸洋介)
ふじ丸は三菱重工業神戸造船所(神戸市)で建造され、商船三井客船が就航させた。
神戸にもクルーズ途中でたびたび寄港。白亜の優美な船体で港町を彩ってきた。
全長167メートルで、最大600人の乗客を収容できる。大浴場や和室を備えた和風の造りは、
後続のクルーズ客船にも影響を与えたとされる。
2002年からは、商船三井客船と日本クルーズ客船が出資する日本チャータークルーズ(東京)が運航。
チャーター(貸し切り)専門という独自路線を歩んできた。
旅行会社の募集型クルーズだけでなく、自治体や企業・団体が借り切ることも多く、
社員研修やパーティー、兵庫県の「大学洋上セミナー」などにも活用された。
しかし近年は、そうした需要が減少。安い外国客船の攻勢も追い打ちになったとみられる。
“ふるさと”である三菱重工業神戸造船所も今年6月で商船建造から撤退。
元JTB社員で旅行ジャーナリストの関川由都子さんは「国内のクルーズ市場を開拓した存在だけに、とても残念」と惜しむ。
ふじ丸が引退すれば、国内の大型外航クルーズ船は、飛鳥2▽ぱしふぃっくびいなす▽にっぽん丸‐の3隻となる。
日本チャータークルーズは「今後については未定。売却も含めて検討する」としている。
ふじ丸は12月と来年1月、5月にも神戸を発着または出発するクルーズが予定されている。
ソース (2012/10/12 15:29)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005445440.shtml