市販の脳波ヘッドセットから、暗証番号を推測可能!?
30人の被験者にATMやデビットカード、地図、人物、ランダムな数字などの画像を提示したところ、PINコードや
誕生月、大まかな住所などの個人情報を推測することができたという。
http://wired.jp/wp-content/uploads/2012/08/brainwave-hacking.jpg 「Emotiv Epoc」ヘッドセットの開発者向けバージョン “Emotiv Epoc (developer)” By David Bakker (CC:BY-NC-SA)
最新の脳波ヘッドセットを装着しているときには、銀行口座の暗証番号のことは考えないようにしたほうがいい。
新たな研究によれば、PINコードやクレジットカードの暗証番号などの重要な個人情報が、市販のEEG(脳波測定)ヘッド
セットから収集されてしまう可能性があるという。
これはオックスフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校、ジュネーブ大学などのセキュリティ研究者らが実施した研究で
わかったもの。かれらがまとめた「On the Feasibility of Side-Channel Attacks with Brain Computer Interfaces」という
論文によると、EEGヘッドセットを装着した30人の被験者にATMやデビットカード、地図、人物、ランダムな数字などの画像を
提示したところ、PINコードや誕生月、大まかな住所などの個人情報を推測することができたという。
「PINコードやデビットカード、人物の特定、ATMなどに関しては、最初から正解を推測できたというケースが全体の20%も
あった。同様に住所については30%、誕生月については60%、ATMマシンを手がかりにした銀行については30%がやはり
正しく推測できた」と研究者らは記述している。
PINコードの最初の数字を探る際、研究者らは0から9までの数字をスクリーン上にランダムに1つずつ点滅させた。これは各
数字について16回ずつ、90秒間行われたが、その間、被験者の脳波はモニターされ、その反応から研究者は正解を推測
することができたという。
Emotiv SystemsやNeuroSkyなど企業が販売するEEGヘッドセットは、ゲームやその他アプリケーション向けにますます普及
しつつある。今回の研究で使われたのは「Emotiv Epoc Neuroheadset」という299ドルのモデル。
研究者らは、周囲の出来事に反応して記録される脳波、いわゆる事象関連電位(event-related potentials)のなかで、
「P300」と呼ばれる脳波成分を分析することで予測したという。
「P300は出来事が起こってからおよそ300ミリ秒後に出現する」とUCバークレー研究者のマリオ・フランクは話す。「個人情報が
推測される恐れがあるのは、ユーザーが特定のことに思考を向けたときです。ハッカーはユーザーに、頭の中の特定の秘密に
思考を向けさせるよう仕向ける可能性がある。例えば、あなたがある人物の顔を知っている場合、特定の顔を考えている
証拠となる脳波パターンが観察される可能性がある」(フランク氏)
TEXT BY GEETA DAYAL TRANSLATION BY 中村航
WIRED NEWS 2012年9月3日 ※この翻訳は抄訳です
http://wired.jp/2012/09/03/brainwave-hacking/ On the Feasibility of Side-Channel Attacks with Brain-Computer Interfaces
Ivan Martinovic, Doug Davies, Mario Frank, Daniele Perito, Tomas Ros, Dawn Son
http://www.scribd.com/doc/102968008/On-the-Feasibility-of-Side-Channel-Attacks-with-Brain-Computer-Interfaces USENIX Security '12 presentation
http://www.youtube.com/watch?v=3RLiLricrLA 関連ニュース
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