先週も各地で豪雨による大きな被害が発生した。本格的な台風シーズン前の今こそ、対策が必要。
2007〜09年中に起きた住宅への風水害の被害を1年間の平均値でみると、2万1115棟にものぼっている(日本損害保険協会試算)。
対策の一つに、保険の加入がある。昨年9月に東日本に上陸した大型の台風15号も、
全国に大きな被害をもたらした。この被害による日本損害保険協会の保険金支払額は史上8位、
合計1123億円にのぼる。支払いの主な地域は静岡、神奈川だったにもかかわらず、
金額は被害の大きさを物語っている。建物だけでなく、家財にも保険をかけておくとより安心だ。
■火災保険が対象
風水害だけを補償する保険はないが、「火災保険」が該当する。火災のほか、
落雷やガス漏れによる破裂、台風で窓ガラスが割れた場合、竜巻、建物が浸水する水害などを広くカバーする。
ただし、風害はほとんどの保険に含まれるが、毎月の保険料を抑えるために
「水害」を補償対象にしていない保険もある。加入の際には確認したい。
現在、加入している火災保険で水害が対象外の場合、保険会社に連絡して付加できるか問い合わせる。
なお、火災保険は保険会社によって「住まいの保険」などさまざまな名称で販売されている。
■水害は床上浸水が対象
一方で、水害といってもすべてが補償対象にならないことも知っておきたい。
保険金がもらえる被害は、「床上を超える浸水または、地盤面より45センチを超える浸水」
という定義がほとんどだ。加入前に、今一度、補償内容を確認する。
集合住宅の2階以上に居住していたり、高台の戸建てに居住していたりする場合は、加入は不要といえよう。
■3社程度で見積もり比較
損害保険には近年、さまざまな商品が出ている。各社一律で同じ補償内容、
保険料の商品を提供することはない。このため、最低でも、3社程度をピックアップし、
毎月の支払い保険料や保障内容、免責金額などを比較して、加入先を決める。
なお、毎月の支払い保険料は、契約期間が長くなるほど、また月払いよりも年払いや
一括払いなど、まとめて払うほど安くなる。(不動産・住生活ライター 高田 七穂)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120823/ecn1208230744001-n1.htm