■国際柔道の商業化を憂う
米国柔道界はロンドン五輪で初の女子金メダル、2度目の銅メダルの獲得とあって、
意気盛んとなった。その有力指導者の一人、米国柔道連盟理事のタッド・ノルス
弁護士が「いまの国際柔道連盟(IJF)の金もうけ活動にはあまりに問題点が多いです」と
述べたのには思わず、うなずかされた。所用で五輪期間中に戻っていた
東京でも日本の柔道指導者たちから同種の批判をさんざん聞いていたからだ。
私が長年、通う「ジョージタウン大学・ワシントン柔道クラブ」の師範でもあるノルス氏は
「今回のオリンピック参加選手の選考でもアメリカを含め、各国にIJFへの苦情が広範にあり、
日本がもっと発信をしてくれることへの期待も大きいです」とも語るのだった。
日本から世界に広がった柔道はいま最大の変容に直面している。ごく簡単にいえば、
プロスポーツとしてのビジネス化である。収入の増大を主眼とする商業化、興行化だともいえる。
IJFがすべて主導して順位をつけた国際大会を頻繁に開き、上位入賞者にはみな高額の賞金を払う。
その戦績で選手の世界ランキングをつけ、一定ランクに入らねば、五輪にも出られない。
大会をとにかく盛り上げ、テレビの放映料やスポンサー参加、観客入場料を増大させる商業動機の優先が露骨なのだ。
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>>2以降に続きます。)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120821/amr12082103160000-n1.htm