【政治】小泉氏・麻生氏のスピーチから学ぶ「思慮深き発言」 思慮深さの伝わらなかった麻生
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pureφ ★:
小泉氏・麻生氏のスピーチから学ぶ「思慮深き発言」 賛成・反対意見はみんなに見せるものだ
今回は、「思慮」という視点から、小泉総理と麻生総理の説得力を比較してみよう。アリストテレスは、話し手が信頼に値する
人物だと判断されるように話せば、その人の説得力は高まると言っている。この話し手の人柄による説得方法は、エートスによる
説得と呼ばれている。[1]
では、どのような人柄が信頼につながるのだろうか。そのよりどころとして、アリストテレスは「思慮」という資質を挙げている。[2]
確かに、私たちには、思慮深いと感じる人を信頼する傾向があるようだ。では、どのように話せば、思慮深さが伝わり、エートスの
説得力が高まるのだろうか。この「思慮」という資質については、フランスの批評家ロラン・バルトが興味深い解説をしている。
「思慮。これは、よく思案し、賛成と反対をよく考量する者の資質である。それは客観的な知恵であり、誇示された良識である。」[3]
バルトの解説を念頭に、「思慮」という視点から、小泉総理と麻生総理の説得力を比較してみよう。まず、小泉の言葉が、
どのように「思慮」を伝えているかを分析してみる。
■小泉総理の持論 民営化賛成論を組み立てる
2005年8月8日、参議院で郵政民営化法案が否決されると、小泉総理は衆議院を解散し、記者会見で、次のように述べた。
「今回の解散は郵政解散であります。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきり国民の皆様に問い
たいと思います。」
総選挙の争点を郵政民営化の賛否にした小泉は、国民の支持を得るために、長年の主張である持論を展開した。
「郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか、・・・私はそうは思いませんでした。」
「・・・今は公共的な仕事でも民間人にできるものは民間人に任せなさいという時代ではないでしょうか。・・・大事な仕事は公務
員がやるんだと、そういう考えはもう古いと思います」
国民が共感するような、分かりやすい言葉で、郵政民営化論が述べられる。また、民間人の力によって、民営化が実現可能で
あるとの考えも表明される。
「むしろ民間人によって・・・今よりももっと多様なサービスが展開できる。国民の利便を向上させる。国民の必要とする商品なり
サービスを展開してくれると思っております」
とはいえ、国民すべてが郵政民営化に賛成するとは到底期待できない。どのような立場の人なら賛成してくれるのか。小泉は、
日本の将来像と絡み合わせて、賛成派の論理を組み立てていく。
「本当に行財政改革をするんだったらば、将来、簡素で効率的な、余り政府が関与しない、役所の仕事を民間に開放しようと
いう主張を展開するならば、この郵政民営化はしなければならないものだと思っております」
「本当に行財政改革をやるんだったらば、公務員を減らしなさいということはみんな賛成でしょう」
■なぜ反対されるのか、その解明に苦慮する小泉総理
このように、郵政民営化の持論や賛成派の立場を語る一方、小泉は、反対勢力の存在を考慮に入れることも忘れない。
「私は、この郵政民営化よりももっと大事なことがあると言う人がたくさんいるのも知っています」
「・・・民営化に賛成するべきだと言っていたんですけれども、これは暴論と言われておりました」
さらに、小泉は、なぜ反対するのだろうと、その理由を探ろうとする。
「なぜ民間にできることは民間にと言いながら、この郵政三事業だけは民営化してはならないと、私はこれが不思議でなりませんでした」
「なぜこの郵政三事業だけは公務員でなければ駄目だと、大事な仕事だから公務員でなければ駄目だというんでしょうか。」
「なぜ・・・この郵政三事業だけは国家公務員でなければ駄目だというんでしょうか」
>>2あたりに続く
武部 恭枝/日経ビジネスオンライン 2012年8月21日(火)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120803/235320/
2 :
pureφ ★:2012/08/21(火) 23:30:06.16 ID:???
なぜ反対するのかと繰り返し問うことで、小泉が反対勢力の言い分を解き明かそうとしていることが伝わってくる。しかし、理由は
なかなか分からない。
「本当にこのままで行政改革できるのか、財政改革できるのか、理解に苦しんでおります」
■反対理由を究明、反対派の本音はこれだ!
しかし、小泉は究明を諦めない。反対するのは、何か別の理由があるのではないかと、小泉はさらに考えた。
「これは率直に言って、選挙のときに・・・郵政三事業に携わる国家公務員の支援を受けている、大事な選挙支援者だと、応援
してくれる人の言うことを聞かなければいけない・・・」
「・・・公務員の特権を守ろうとしているんじゃないですか、国家公務員の身分を守ろうとしているんじゃないですか、反対勢力は。・・・」
よく考えてみると、特定の利権を守ることが反対派の本音ではないかと思われる。そこまで考え抜いたと言うのである。
このように、小泉は、郵政民営化賛成論を分かりやすい言葉で語り、日本の将来像と結び付けて賛成派の論理を組み立てている。
その一方、反対勢力の見解を本音まで究明しようとしたことを語る。小泉の言葉からは、賛成・反対の両論を考慮していることが
伝わる。また、反対勢力の立場を理解しようとすることで、小泉が客観的に考えようとしていることも伝わってくる。思考の過程を感じ
させる言葉が効果的に使われているので、ロラン・バルトが言う「思慮」という資質を持っていることが伝わりやすいのである。
■麻生総理の発言を検証
次に、麻生総理の記者会見を分析してみよう。
2009年7月21日、麻生は衆議院解散後の記者会見で次のように述べた。
「日本を守り、国民の暮らしを守るのは、どちらの政党か、どの政党か、政治の責任を明らかにするためであります」
総選挙で、責任を全うできるのはどの党であるかを問うことにした麻生総理が訴えたいのは、自民党こそが政権を担うにふさわしい
党であるということだ。
最初に取り上げたのは、優先課題にしてきた景気対策である。
■経済回復 約束することのリスク
麻生は、「経済政策に専念」し、その結果、「景気回復の兆し」が見え始めたことを報告する。とはいえ、「いまだ道半ば」。そこで、
続投の希望を表明する。
「経済対策、この一点にかけてきた私にとりましては、確かな景気回復を実現するまでは、総理・総裁の任務を投げ出すわけには
まいりません。日本経済立て直しには、全治3年。したがって、景気最優先。日本の経済を必ず回復させます。これが、1つ目の
お約束です」
ここで気になるのは、日本経済を「必ず回復させる」と「約束」をしていることだ。
経済回復を「成し遂げたいという強い意志を持っている」ことと、回復を「約束する」こととの間には違いがある。
「約束する」と言うことは、国民に対する「義務を自分に課し」、「自分の信望を賭ける」ことになる。[4] 約束を遂行するには、
様々な条件や要因が揃っていなければならない。一方、経済のグローバル化により、世界経済の影響を始め、景気回復を阻む
要因も多い。「約束」はしたものの、麻生総理は、そのような要因を考慮したことに言及していない。これでは、思慮に欠けた、
選挙目当ての安易な約束だと思われてしまうリスクがある。
■安心社会の実現 対策リストの読みあげ
さらに、麻生総理はもう1つの「約束」をする。「安心社会の実現」だ。
「子供たちに夢を、若者に希望を、そして高齢者には安心を、であります」と、目指す社会のキャッチフレーズを掲げ、次々と政策や
対策を列挙していく。
「雇用を守るための助成」、「職業訓練の拡充」、「訓練期間中の生活保障」、「パートやアルバイトの待遇改善」、「妊婦健診の
無料化」、「幼児教育の無償化」。どれも作成する過程では様々な検討がなされたのであろう。しかし、次から次へと並べあげる
だけでは、対策リストの読み上げになってしまい、策定過程での思慮や考慮は伝わらない。
>>3あたりに続く
3 :
pureφ ★:2012/08/21(火) 23:31:17.61 ID:???
自民党こそ政権政党にふさわしいと訴えたいのに、安易と思われるような約束や対策リストの読みあげでは、国民に思慮深さを
感じてもらうのは難しい。
■「反対するのはけしからん!」 麻生総理の民主党批判
2009年当時は民主党に追い風が吹いていた。国民は、民主党に政権を任せてみようかと思い始め、民主党に票が流れそうな
風潮だった。なんとか国民を思いとどまらせたい麻生総理は、民主党のことを次のように述べる。
「景気対策、福祉の財源、日本の安全保障、いずれをとっても自民・公明両党の案に反対するだけで、具体的な政策が見えて
きません」
「街工場の資金繰りの支援や仕事を打ち切られた人たちへの生活支援など、極めて緊急を要した予算にさえ反対し、国会の
審議を引き延ばしました」
「若い世代の保険料の負担を抑えるための年金改革法にも反対したのです」
「国連決議に従って、北朝鮮の貨物を検査する、そういう法案についても審議に応じず、廃案にしてしまいました」
麻生は、民主党が反対ばかりしていると繰り返し訴える。「反対するとはけしからん!」というような口ぶりだ。だが、「なぜ反対する
のか」という理由を問おうとはしない。
そもそも政治の世界で扱う問題には、正解はない。それぞれの政党の立場や考え方によって、異なる意見が出るのは当然であろう。
自分の主張だけでなく、対立する意見も考慮している過程を語ることで、思慮深さが国民に伝わる。
ただ「反対するのはけしからん!」と批判をするだけでは、賛成と反対を考慮していることが伝わらないし、「なぜ反対するのか」と
いう理由を問おうとしなければ、実際には考えていたとしても、客観的に考慮していることが伝わらないのである。
■わざわざ言わなくても・・・その考えにリスクがある
誤解しないでいただきたいのだが、私は、小泉総理は思慮深く、麻生総理は思慮が浅いと言っているのではない。
しかし、記者会見での二人の総理の言葉を分析すると、小泉は思慮や考慮が伝わる言葉を語っているのに対して、麻生は
思慮したことが伝わるような言葉を使っていないと言えるであろう。そのため、国民にとっては麻生総理が思慮のある人だと感じにくい、
ということを指摘しているのだ。
アリストテレスやロラン・バルトが言うように、「思慮」が信頼のよりどころとなり、その結果、説得力が高まるのであれば、麻生総理は
もっと言葉を選んで思慮深さを伝えていくことが必要であったといえる。
このように書くと、読者からこんな反論が出てくるかもしれない。
「麻生総理だって、民主党がなぜ反対するのか考慮しているさ。当たり前じゃないか。国会でも議論されているのだし、なぜ反対
されたのか百も承知に決まっている。そんなことわざわざ言わなくても分かるだろう」
そう、言わずもがなではないか、と反論される方がいるかもしれない。しかし、この「言わずもがな」という考えにリスクがあるのだ。
ロラン・バルトは、「思慮」を「誇示された良識」だと言っている。話し手が思慮のある人で、賛成と反対の両方を考慮しているなら、
それを言葉で語ることが大切だ。「きっと考慮したのだろう」と話し手のことを慮ってくれるほど、心優しい聞き手ばかりではないのである。
だから、「そんなこと、わざわざ言わなくても・・・」などと面倒臭がってはいけない。 聞き手が好意的に解釈してくれるだろうなどと
甘えてはいけない。
ロラン・バルトは、次のようにも述べている。
「それ(エートス)は、弁論者が、よい印象を与えるために、公衆にみせるべき性格の特徴である。」[5]
思慮を感じさせない言葉が招く政治不信
最近の国会中継や政治家の討論でよく目にするのは、発言者の話を聞かずにやじを飛ばす、相手の言葉じりをとらえ詰問する、
ささいなことで揚げ足を取る、相手をばかにしたような質問をする、おざなりな答弁を繰り返す、そんな姿だ。そこには「思慮」がある
とは感じられない。こうした政治家の姿にうんざりした国民の思いが政治不信につながっているのかもしれない。
賛否両論を客観的に考慮するだけでなく、それをみせることによって、思慮深さが伝わる。それは信頼のよりどころになり、説得
力が高まることにもつながる。国民が期待しているのは、そうした思慮深さを感じさせてくれる政治家が議論をする、そんな政治
なのではないだろうか。
>>4あたりに続く
4 :
pureφ ★:2012/08/21(火) 23:31:28.27 ID:???
参考文献
[1] アリストテレス、戸塚七郎訳(2009)『弁論術』、岩波文庫、p32.
[2] 同、p159-160。
[3] ロラン・バルト、沢崎浩平訳(2005)『旧修辞学便覧』、みすず書房、p122。
[4] J.L.オースティン、坂本百大監訳、(2009)『オースティン哲学論文集』、勁草書房、p146-148。
[5] ロラン・バルト、『旧修辞学便覧』、p122。
5 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:31:48.35 ID:qpBftYaQ
6 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:33:24.34 ID:rh6nJRZJ
自民に戻さなくていいから麻生に戻せ
小泉のどこが思慮深いのさ
8 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:36:15.00 ID:caIYtVfV
弥栄(いやさかえ)で合ってるからな
これ読み間違いってマスゴミは騒いだけど詫び入れたか?
9 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:38:20.32 ID:gCM5vGmj
小泉の郵政民営化は選挙がらみの個人的な恨みだけでしょう。
それと郵政大臣になった時の郵政官僚に対する恨みも含めて。
10 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:40:59.36 ID:qpBftYaQ
>>8 日テレの丸岡いずみアナだっけ
返礼に貰った手紙の字間違いをテレビで晒して喜んでたやつ
なんか病気で退社とか聞いてワロタ記憶が
因果応報って本当にあるんだね
漢字が読めないという話題で、スピーチ内容よりも読み間違い探しに皆熱狂した麻生総理。
麻生の喋り方が受け付けない。だから〜 それで〜 これが〜。
政治的思想以前に、なんかムカつく。
>>1 要約すると
「言う事の内容より聞く側の知性が問題だ」
ってところかね
15 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:52:02.66 ID:gCM5vGmj
>>13 確かに熱狂したのはマスゴミ関係者だけだろうけど、言わせてもらえば
東大系のDNAの家系なのに
入れなかったというのは正直言ってよっぽどサボったとしか言いようがない。
16 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:54:15.21 ID:JehX19gy
国会で漢字テストやったんだぜ?
当時は異常だった。
政権変わったら鳩山の超高級会員制バー通いは絶賛してたし。
17 :
名前をあたえないでください:2012/08/21(火) 23:57:06.85 ID:ER5gn+L4
岡崎だからよかったですよ〜
18 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:00:20.71 ID:CSPXm3LA
>>9 中途半端な知識だな。
小泉が郵政大臣になったのは昔からの郵政民営化の持論を押さえ込ませるためだよ。
20 :
竹島は日本の領土です:2012/08/22(水) 00:09:31.88 ID:Qr78NtBJ
>>1 つまりなに?
アメリカに対してしっぽを振ったか振らないかって事?
21 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:11:03.34 ID:PL4+eKzp
言ってることは正しい
アメリカで学んだ人?欧州カブレ?かなんかだろうけど
日本人はこの人みたいに論理的に受け止めない
そもそも麻生がちゃんと「伝えた」ら冷たいとか言って非難しただろうし
そういったことに踏み込まず発言だけで分析した良い文章ではある
22 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:13:25.34 ID:IwQ1jp66
×思慮深さの伝わらなかった麻生
○思慮が浅い麻生
23 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:16:54.75 ID:4IL4BZTi
>>21 総体的に見ると麻生の「老人から若者へ」に対して、民主は全方向バラマキだから
どうやっても麻生が冷たく見えるんだよね。
24 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:31:16.57 ID:v+vrsgcN
亡国自民は99%の負け組を作った格差社会の権化だから、それゆえ二度と
政権与党の座に戻ることは無い
負け組ビンボーの1票も、ごく少数の大金持ちの1票も、重みは同じだから、
亡国自民のボロ負けはすでに確定している
25 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:34:14.65 ID:sBCI4/A5
いまだに麻生叩きかよ。どんだけ憎いんだw
現も含めた過去3代の首相のほうが叩きどころ満載だろw
26 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 00:34:57.00 ID:uFBSUYqB
27 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 01:30:25.14 ID:cb3Io7S0
漢字もまともに読めないただの馬鹿じゃんw
結論としては、有権者に分かりやすいメッセージで総選挙に大勝した小泉と鳩山は偉大。
自己満足の言葉に独りで酔っていた安部と麻生はバカ。
29 :
名前をあたえないでください:2012/08/22(水) 07:54:34.57 ID:Mq+3LQDt
30 :
名前をあたえないでください:
調子に乗って年金まで手を付け、
ガチャガチャにしちゃったじゃないか。
一党独裁は麻薬なんだよ。