名古屋市は、認知症の高齢者の徘徊はいかいによる事故を防ぐため、行方不明になった
高齢者の情報を共有し、早期発見につなげる「はいかい高齢者おかえり支援事業」を10月からスタートさせる。
他の政令市では交通事業者らに情報を提供することが多いが、名古屋市は
協力してくれる市民も募り、行方不明となった高齢者の保護にあたる。
事業では、徘徊の恐れがある高齢者の家族らが、高齢者の名前や住所、
徘徊頻度などの情報を事前に登録しておく。登録先は、市が社会福祉法人などに
運営を委託し、高齢者に関する相談業務を行っている「いきいき支援センター」。
市内に45か所(分室を含む)あり、今月から情報登録を始めた。同時に、
市は事業に協力してくれる支援サポーターの募集も始めた。登録している
高齢者が行方不明になった場合、市はタクシー会社や鉄道事業者のほか、
支援サポーターにも服装や体形などの情報を電子メールで一斉配信する。
市内で、介護を必要とする認知症の高齢者は約4万5000人いる。一方、
65歳以上の高齢者が行方不明になったという届け出は、県内全体で年間
1000件ほどあるという。こうした高齢者を事故から守るため、地域全体で支えようという仕組みだ。
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