ハローワーク宇都宮(栃木県)は、就職活動を始める前の高校1、2年生を対象に、福祉・医療の現場を見学するセミナーを始めた。
この分野は人手不足が指摘されているが、希望の多くは事務職や製造業の求人に集まる。セミナーは、
福祉や医療の仕事に具体的なイメージを持ってもらい、就職活動の選択の幅を広げさせるのが狙いだ。
「しごとしっとくセミナー」と銘打って、8月中に3回実施する。17日にはすでに第1回目を開いた。
同ハローワークによると、現在5人に1人の割合の高齢者(65歳以上)は、高齢化の
進行で20年後には3人に1人になるため、現在128万人の介護職員が、13年後には212万〜255万人必要になるという。
すでに、今春の高校新卒者に対する民間介護事業などの求人数(今年3月末現在)も、
前年同月比32・5%増の208人、医療法人や社会福祉法人などの求人数も同34・3%増
の630人と急増。来春の高校新卒者に対する募集状況も同じ傾向という。一方、
就職希望者の多い製造業の求人は、大幅な増加が見込めず、求人実態と希望の偏りのギャップ拡大が懸念されている。
初回のセミナーには、男女7人が参加し、宇都宮市内の特別養護老人ホーム
「元気の里」と宇都宮記念病院で、施設や職員の仕事を見学した。県立高1年の男子生徒(15)は
「施設の環境も良く、『こういう所で仕事をするのか』と気分も高まった」と刺激を受けた様子だった。
同ハローワークは、23、24日に予定しているセミナーの参加者を、若干名ずつ募集している。
(2012年8月18日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/syuukatsu/snews/20120818-OYT8T00439.htm