高齢者の投資信託トラブル増加 契約金額の平均は1,000万円超え
国民生活センターは7月26日、「年々増加する投資信託のトラブル―元本割れなどのリス
クを再確認し、トラブルの未然・拡大防止を―」と題した報告書を公開した。投資信託に関
する相談を紹介し、注意を呼び掛けている。
同センターは、2009年1月にも「ノックイン型投資信託」に関する注意喚起を公表した。
しかし、全国の消費生活センターに寄せられる投資信託に関する相談は、それ以降も増加傾
向にあり、2011年度は1,700件を超えた。2012年2月には、金融庁により投資信託に関する監
督指針の改正が行われたが、投資信託の市場規模は非常に大きく、消費者トラブルの件数自
体が非常に多いという現状だ。
なお、「ノックイン型投信」とは、リターンの決定に一定のノックイン条件が付けられた
投信のこと。例えば、日経平均など対象となる価格が、一定期間に一定額を下回らなければ
、決められた利回りが支払われる。しかし、期間内に一度でも一定額を下回った場合には、
その下落分がそのまま投資家の損失になるリスクがある。「リスク限定型」や「リスク軽減
型」というキャッチフレーズが使われることがあるが、実際にはハイリスクの金融商品とさ
れている。
投資信託に関する相談には、契約当事者に60歳以上の高齢者が多い、契約金額の平均が1,
000万円を超えているなどの特徴がある。
同センターに寄せられる相談内容としては、「契約・解約」や「販売方法」に関するもの
が多く、「元本保証と言って、ノックイン型の投資信託を勧誘された」「分配金が倍になる
と言われて、通貨選択型の投資信託を契約したがやめたい」など、元本保証がないことなど
の説明不足や、解約に関する相談が目立っているという。
同センターは、トラブルに合わないために、「投資信託は、元本保証ではないことを改め
て認識し、販売員の説明内容を十分に確認」「リスクや仕組みを十分に理解できず、リスク
の程度を適切に測ることができなければ契約しない」「自分が許容できるリスクの範囲内で
契約」「解約条件についてもあらかじめ確認」などといった点に注意するよう、消費者への
アドバイスを行っている。また「トラブルにあったら消費生活センターに相談を」と、呼び
かけている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120805-00000000-sh_mon-bus_all