【経済】「シャープショック」 地元に大きな波紋 県や矢板市、対策本部検討

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1ヘビおんな物語φ ★
シャープが発表した栃木工場(矢板市早川町)の大幅縮小のニュースが、地元
の取引企業や行政、商工関係者らに大きな波紋を広げている。「仕事がなくな
る」。一夜明けた3日、取引業者は危機感をあらわにし、情報収集に追われた
県や矢板市は雇用への影響を懸念し、対策本部設置の検討を始めた。地元の飲
食店、タクシー業界も客足減少を不安視し、「シャープショック」は県内経済
界の多方面におよびそうだ。

■取引企業

矢板市や同市商工会によると、シャープの取引企業は県内に約10社。関連する
従業員は工場を含め2千人に上るという。テレビ市場の悪化を受け、「昨年か
ら孫請け企業はほとんど姿を消した」(同商工会)。

シャープとともに県内に進出し44年間栃木工場と取引がある部品メーカー。今
後の具体的な生産体制はまだ知らされていない。この日は情報収集に社員を栃
木工場に派遣した。部品メーカーの担当者は「メーンは矢板。仕事がなくなる
ということ」と肩を落とした。

■地元経済

「言葉にならないほど不安。これからどうしようかと考え通しです」。同市内
のタクシー会社社長(63)は声を落とした。

栃木工場は技術開発の拠点となるAVシステム事業本部を持ち、出張社員や取
引先企業のタクシー利用が多い。2008年秋のリーマンショック後、売り上
げが約4割も落ち込んだ。給与体系の見直しなどで乗り越えてきたが、昨年は
震災の影響でさらに減少。「今後また、どれだけ下がるのか」と表情を曇らせ
た。

■税収、雇用

ここ数年のシャープからの法人税は、リーマンショック前に比べ98・6%減と
激減している。ただ、矢板市内では最大の事業所。同市税務課は「影響はそれ
なりにある」。

市外に配置転換される従業員やその家族の数によっては市県民税にも響く。同
課は「シャープだけではない。関連会社の撤退もありうる。来年度以降どうな
るのか」と懸念を示す。

人員削減の規模が現時点では不透明なため、雇用への影響を懸念する県や栃木
労働局も落ち着かない。県労働政策課は「会社として雇用調整にどう臨むのか
情報がない。県外出身者や地元採用者の人数によっても対応は変わってくる」
として、情報収集に追われている。

http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/north/yaita/news/20120804/845912