ユーロ圏17カ国の財務相は10日未明(日本時間同日朝)、銀行再建に取り組むスペインに7月末までに300億ユーロ(約3兆円)支援する方針を決めた。
これまで最大1000億ユーロ支援の用意があると表明しており、その第1弾。
今回は「政治的了解」とし、7月下旬に正式決定する。
スペインに対し、欧州連合(EU)の財政規律である財政赤字を3%に抑える期限を1年延ばし、2014年にすることも認めた。
ユーロ圏財務相会合は9日夕から議論を開始し、10日未明まで議論を続けた。
ユンケル議長(ルクセンブルク首相)は10日の記者会見で、
スペインへの300億ユーロの支援について「スペインの銀行の不測の事態や緊急の必要性に利用できる」と指摘した。
スペインは銀行部門の資産査定を続けており、ユーロ圏は金融安全網から、ひとまず資金を供給する見通し。
融資期間は最大で15年とした。
スペインは銀行部門の資本不足が最大で620億ユーロと推定している。
財政再建にも取り組むスペインは13年までに財政赤字を3%以内に抑える必要があった。
スペインの経済状態が非常に悪いことに加え、
同国が財政再建に取り組んでいることを評価し、目標を1年先延ばしする。
ただし「14年の期限を達成する対策を取らなければならない」(ユンケル議長)と強調した。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1001O_Q2A710C1MM0000/