【社会】死亡事故81件…平成元年〜21年、小中高で 柔道受け身指導徹底を 文科省が報告書

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必修化 柔道の事故最多 体育・部活で死亡470件

 学校の体育の授業や部活動での事故防止策を検討する文部科学省の有識者会議は四日、事故分析や対策を
盛り込んだ報告書を公表した。一九九八〜二〇〇九年度の十二年間で生徒が死亡したのは四百七十件、重い
障害を負ったのは百二十件。このうち、部活動中に起きた事故は競技別では柔道が最多の五十件に上り、
安全対策として「受け身の練習が重要」と指摘した。
 本年度から中学校で武道が必修化された中、体育の授業や部活中の事故に関する統計を文科省が公表したのは
初めて。
 事故全体の五百九十件のうち、中学、高校での体育の授業中の事故は二百十二件で、部活中の事故は三百十八件
だった。授業中の柔道の事故は九件で、陸上競技(八十七件)や水泳(二十四件)の方が多かったが、部活中では
柔道が最多の五十件(16%)を占めた。
 今年四月から中学一、二年で必修化された武道は、学校ごとに柔道や剣道、相撲などを選ぶ。今回、報告書と
併せて公表した文科省の調査では、柔道を選択した学校が全一万六百八十三校のうち六千八百三十七校(64%)を
占めた。柔道の授業を四月に始めた学校は2・1%にとどまり、本格的に実施するのは夏休み以降となることも
分かった。
 名古屋市立向陽高校で昨年、柔道部練習中に一年生の倉田総嗣(そうし)さん=当時(15)=が死亡した事故などを
踏まえ、有識者会議は柔道指導のあり方を重点的に検討。安全対策として、受け身の指導を十分に行うことが重要と
指摘した。このほか、体格や技能の差を十分に考慮して練習させる▽顧問に十分な研修機会を与え、経験の浅い教員が
部活動の顧問の場合、警察官OBなど経験者の協力を得る−などを挙げた。
 今回の報告書では学校別の発生件数も分析。高校が三百四十二件(58%)で最も多く、中学百八十八件(32%)、
小学校六十件(10%)だった。小学校では学年が上がるほど事故が増える傾向があり、中学、高校では一、二年生が
多かった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012070490135716.html