福島第1原発の20キロ圏内で保護され、チーズと名付けられて川崎市内のボランティア施設に
引き取られていた1匹の雌の三毛猫が27日、福島県会津若松市内の
仮設住宅に住む飼い主と再会した。“本名”は「きなこ」。
約1年3カ月ぶりに起こった奇跡に、これまで見守ってきたスタッフからは
驚きと喜びの声が上がった。
引き取っていたのは川崎市中原区の野生動物ボランティアセンター。
福島第1原発の事故後、原発の20キロ圏内で保護された犬と猫を計36匹受け入れ、
新たな飼い主を募集。現在は計13匹が飼われている。
きなこは昨年8月3日、東日本大震災前に飼われていた福島県大熊町のJR大野駅近くの
路上で保護された。保護したのは、同センターを設立した獣医師、馬場国敏さん(64)。
馬場さんが運営を指揮する同県三春町の保護シェルターに入り、チーズという愛称を付けられた。
シェルターが閉鎖された今年1月、同センターへ。保護された当初はやせて毛並みもぼさぼさで、
疲れ切った状態だったが今では旺盛な食欲を見せ、体格も良くなった。
今月18日、インターネット上に公開している写真を見た飼い主の女性(57)から、
「もしかして、うちの猫では?」と別のボランティア団体を通じ、
シェルター運営に携わっていたボランティア団体「緊急災害時動物救援本部」の動物看護師、
谷茂岡(やもおか)良佳さん(36)に連絡があった。飼い主から特徴などを
聞き取ったところ、ぴたりと一致した。
*+*+ 産経ニュース +*+*
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120627/kng12062722560011-n1.htm >>1からの続きです。
谷茂岡さんに連れられ、きなこは27日夕、会津若松市で飼い主との再会を果たした。
車の外からケージの中を見た瞬間、飼い主は「間違いありません」とほっとした様子。
きなこもケージから出したとたんに飼い主の足下にすり寄り、「いつもの5倍くらい」(谷茂岡さ
ん)、ごろごろとのどを鳴らしてリラックスしていた。
きなこは6歳。
震災の発生後、行方不明になった。
翌日や一時帰宅の際も捜したが見つからず、飼い主は「もうだめかも」と、あきらめかけていたと
いう。
同センター長で獣医師の皆川康雄さん(45)は「飼い主の元で幸せになって」と顔をほころばせた。
谷茂岡さんも「災害の発生後、半年を過ぎると、元の飼い主へ戻すのが難しくなる。
1年経って見つかるのは、かなりのレアケース」と話した。
同センターでは、被災ペットの餌代などの支援も募集している。
画像
http://p2.ms/i275j 2012.6.27 22:49
福島県大熊町で昨年8月に保護され、震災から約1年3カ月ぶりに飼い主が見つかった
猫「きなこ」=川崎市中原区の野生動物ボランティアセンター