グーグルは21日、同社の最高経営責任者(CEO)、ラリー・ペイジ氏が「声を失った」と明らかにした。
しかし詳細については口をつぐんでいる。企業統治の専門家は説明不足だとしている。
ペイジCEOは21日の年次株主総会を欠席した。今週のソフトウエア開発者向けの年次イベントと7月半ばの
第2四半期の決算発表にも出ないという。詳しい説明がないことから金融市場には深刻な病状なのでは
ないかとの憶測も出ている。
ペイジCEOは21日に社員に送った電子メールで、「深刻な病気ではない」と述べた。
エリック・シュミット会長は総会で、ペイジCEOが「すぐに回復することを願う」と述べながら、
共同創業者のセルゲイ・ブリン氏が「ラリーは慎重に言葉を選ばなくてはならなくなるので、
これまでよりいいCEOになるだろうと言っている」と話し、場を和ませた。
しかしIT業界の人々にとっては、アップルのスティーブ・ジョブズ氏の死が今も記憶に新しく、
笑ってやり過ごす人は少ないようだ。
デューク大学のセス・コーエン氏はペイジ氏が急性喉頭炎かもしれないと話す。1、2週間は静養が
必要な病気だ。また喉頭周辺の緊張による発声障害の可能性もあるという。同氏はペイジ氏を診察
したことはない。また声帯に良性の病変ができて声が出なくなることもあるという。その場合、
手術が必要となり、回復に1カ月以上かかる可能性もあるという。
障害を持ったリーダーの研究が専門の元チュレーン大学政治学教授のロバート・ロビンズ氏は、
ペイジ氏の病状についての情報開示の不足をアップルのジョブズ氏の場合になぞらえ、グーグルも
「同じ道をたどっているようだ」と語る。
投資家はこのニュースを受け流し、グーグルの株価は22日、1.1%上昇し571.48ドルで引けた。
同社の株価は過去1年で17%上昇している。
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_466227