「かっこいいことばかりいってもお腹がでてくるのよ…」(森高千里「私がオバさんになっても」)。平成4年のヒット曲で、オジサンの
象徴とされていた“出腹”。しかし当時の若者が中年になった今、宿命にあらがい?割れた腹筋自慢のオヤジが目立っている。
今月、アラフォー男性を対象にした腹筋コンテストが初開催。東日本大震災後、いざというときに頼りになる筋力・体力が見直され、
今や腹筋は「男のアンチエイジングの象徴」(主催者)なんだとか。(重松明子、写真も)
東京・青山のスパイラルホールで18日に開かれた「腹筋ING選手権」最終選考会。100人を超す応募から予選通過した
37〜47歳の出場者11人が1人ずつ壇上を進んでいく。Tシャツを自らの腕で破り裂き、腹筋があらわになるたび「ヒュー!」
「ほぉ」「キャー!」。声援と悲鳴?で客席がどよめいた。
主催は、若さを維持する40代「美魔女」ブームを作った女性誌「美スト」の男性版、「メンズ美スト」を4月2日に創刊する
光文社だ。「女性の美しさが底上げされる一方、同年代男性との格差が拡大。誌面でかっこいいおっさんを多数紹介し、
身近な目標を示したい」と山本由樹編集長(49)。
同誌では、誰もがお金をかけずに努力と節制で獲得できる「腹筋」を「男のアンチエイジングの象徴」と位置づけた。ナルシスト
っぽいが、それだけではない。「震災を機に『いざというときに身を守れる体』に目覚めた男は多い。家族のために強く若くいたいと
いう意識が、腹筋を鍛える動機付けにもなっている」と山本編集長。
参加した自営業の浅野浩之さん(37)も「震災を経験し父親の責任を改めて自覚した。家庭を大切に、あまりストイックに
ならずに鍛えていきたい」。「ダンベル代わり」という娘の真央ちゃん(4)と声援を送っていた妻の律子さん(41)は「実は私以上に
スキンケアにも熱心です」と美へのこだわりぶりも打ち明ける。
コンテストでは、腹筋回数競技や自己PR審査も設けられ、第1回キングには警備会社勤務のボディーガード、冨岡雅人さん
(39)が選ばれた。「仕事上ここまでの筋肉は必要とされていないが、普段見えない腹筋を鍛えることが自信や美意識につながる」
と冨岡さん。
元実業団バスケットボール選手で証券会社勤務の岡部栄太郎さん(47)は最年長出場者。「年下の方にも見劣りしていなくて、
素直にすごいなと思いました」と妻の真里子さん(48)もほれ直した様子。
「8年前に初めてのスノーボードで筋肉痛になり、運動不足を痛感。ジム通いを始めた」という美容室を営む山本学さん(42)は、
高校生と中学生の父親。「体が変わり、仕事面での自信や信頼感も高まったと感じる。コンテストに参加して、若々しい年上の方
に出会え今後の励みになった」
閉会後の酒宴には全員が参加。文字通り「腹を割った交流」が5時間も続いたそうだ。
一方、54歳の俳優が割れた腹筋を披露しながら販促イベントを展開し、驚異的に売れている本が、昨年5月に発行された
「美木良介のロングブレスダイエット」(徳間書店)だ。
1年でオヤジ体形から脱却し腰痛も解消した美木さん独自の、腹まわりの筋肉に働きかける呼吸法を紹介。続編と合わせ
計54万部を突破している。
「当初は女性読者を想定していたが、美木さんが各地で裸になって『さぁ、一緒に』と実演してくれるので、40〜60代男性の
反応がすごい。購入者の4割は男性です」と担当編集者。
前出の山本編集長は「外見を美しく、かっこよくすることが、ビジネスの場で力を持つ時代になってきた」と指摘する。 職場や
取引先男性の見た目に注がれる女の視線はシビアだ。“腹筋オジサン”の台頭は、女性の社会進出や管理職増加とも相関性
ある現象なのでは!?
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120326/tky12032608000000-n1.htm 写真=「腹筋ING選手権」最終選考会の参加者。みんなアラフォーだ
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120326/tky12032608000000-p1.jpg http://sankei.jp.msn.com/images/news/120326/tky12032608000000-p2.jpg