内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ容疑者(40)が
来年実施予定のオーストラリア上院議会選に出馬する予定であることが明らかになった。
ウィキリークスが17日発表した。同容疑者は現在、英国で事実上、自宅軟禁状態にあり、
スウェーデン当局から性犯罪容疑で刑事責任を問われている。
オーストラリアの市民権を持つ同容疑者は、スウェーデンへの身柄引き渡しの拒否を求めて
英最高裁に上告した。同最高裁はまもなく判決を出すとみられている。
ウィキリークスはミニブログのツイッターで、「ジュリアン・アサンジ氏が拘束中であっても
豪上院選に出馬できる可能性があることが判明した。ジュリアンは出馬を決めた」とコメントした。
ウィキリークスによる米国の多数の機密文書公開をめぐり、同容疑者は米国に身柄を移送される
恐れがある。同容疑者は、中道左派のギラード政権がそれを阻止しようとしなかったと批判している。
豪警察当局はウィキリークスと同容疑者が米国の公電を公表したものの、豪州の法律は
一切侵していないとの結論を出したが、ギラード首相は「非常に無責任だ」としてこの行為を非難した。
オーストラリア国立大学の政治学者ジョン・ワナ氏は、アサンジ氏が選挙人名簿に掲載されていれば、
数年間海外に住んでいるとしても、上院選に出馬することが可能だと指摘した。
豪州の法律では、罪に問われて12カ月以上の禁錮刑を受ける恐れのある人物は、
執行猶予が付いていても、その期間は議会選への出馬を阻止される可能性がある。
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>>2以降に続きます)
ソース:ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_410433?mod=WSJFeatures 画像:ジュリアン・アサンジ
http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/assange0201/9720688-1-eng-US/assange0201_image_Col3wide.jpg (
>>1の続きです)
ニューサウスウェールズ大学の憲法学者ジョージ・ウィリアムズ氏によると、この条項が
裁判で争われたことは豪州連邦111年の歴史において一度もなく、スウェーデンといった外国での
有罪判決には当てはまらない公算が大きいという。
同氏は「たとえ有罪とされても、それが出馬の障害になるとは思わない」と述べた。
豪州の市民権を持つ成人であれば、誰でも豪州議会に出馬できるが、主要政党からの支持なしに
議席を獲得できる人はほとんどいない。現在の上院議員76人のうち、政党に属さないのは一人だけだ。
豪州の議会選では、議席獲得の望みがほとんどない候補が多く出馬し、政治的または商業的な
さまざまな理由で選挙活動を使って注目を集めようとする。
ワナ氏は、アサンジ氏が当選できる可能性は低いものの、注目度が高いことから立候補した州で
4%以上を得票する可能性があると述べた。得票率が4%を超えると、候補者は選挙活動費用として、
政府に1票あたり2ドル以上の支払いを要求することができる。つまり、アサンジ氏が
納税者から受け取る金額は数十万ドルに及ぶ可能性がある。
次回の上院選は2013年7月より前には行われないため、8月前後になる予定だ。
候補者は投票日の少なくとも1カ月前に選挙が発表されるまで、正式な出馬登録ができない。
アサンジ氏の母親クリスティン・アサンジさんは17日、出馬計画についてまだ息子と話し合っていないと述べた。
クリスティンさんは豪政府が自国市民の権利よりも米国と締結した安保条約を優先しようとしていると批判した。
クリスティンさんは「次期選挙の最大の争点は、誰に投票するかにかかわらず、この国の民主主義になる。
つまり、豪州が米国の同盟国の一つに過ぎないのか、そして豪州の市民が米国との同盟の犠牲として
米国に引き渡されるのかについて争われることになる」と語った。
【終わり】