自殺防止活動に取り組む和歌山県白浜町のNPO白浜レスキューネットワーク(藤藪庸一理事長)が、
町内の商店街にある空き店舗で弁当店を始めた。調理などスタッフは、自殺を思いとどまり、同NPOが
保護した人たち。同店で働きながら生活再建を進める。近く、売り上げを利用して食事に困る生活困窮者への
無料配食サービスも始める予定。
店は温泉街の中心部、銀座通り商店街の空き店舗を借りて昨年12月21日にオープンした。藤藪代表は
「改装していないし、看板も手作り。でも、できる範囲で小さく始めて少しずつ大きくしたい」と考えているという。
調理を担当する男性は、30年以上、中華料理店で調理していた経験がある。ほかに2人がスタッフとして働く。
弁当は昼食用(日替わり)で500円。旧白浜町内の人に配達するが、店で受け取ることもできる。
昨年末で1日30個ほどの販売があったが、少しずつ評判が広まり、いまは1日平均60個の売り上げに。
「注文に追いつかない状態」になってきたという。弁当箱は保温のため、発泡スチロールのケースに入れて配達。
スープもポットに入れて届けている。
調理人などスタッフには給料を支払い、自立の手掛かりにしてもらう。また、純利益を使って生活困窮者への
弁当の無料配食をしたいと考えているという。
同NPOでは、賞味期限内で食べられるにもかかわらず、包装の不備などさまざまな理由で販売されずに
廃棄される食品を譲り受け、生活困窮者に無償で提供する「フードバンク」事業をしているが、自分たちで
食事を作ることができない人もいるという。また生活保護を受けていても、自殺しようとする人が多いのが現状だという。
藤藪代表は「生活困窮者に手を加えた食事を届けることで、配達と回収の際の2回、コミュニケーションを
取る機会ができる。地域を支えていく助けになる支援の形を食から始めたい」と話している。
問い合わせ・注文は、同NPO事務局がある白浜バプテストキリスト教会へ。
同NPOは2006年5月に発足。三段壁周辺のパトロールや「いのちの電話」での電話相談などで自殺の防止に
取り組むとともに、自殺を思いとどまった人の社会復帰に向けた共同生活の場をつくるなど支援活動を続けている。
昨年12月には、売り上げの一部を自殺予防の活動費として還元するTシャツやトレーナーの販売も始めた。
(2012年01月27日更新)
▽ソース:紀伊民報
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=225364 ▽画像: 弁当の販売、配達を始めた商店街の中の「まちなかキッチン」(和歌山県白浜町で)
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/newsphoto/2253641.jpg ※ご依頼がありました
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1327428854/27