鳥インフル論文、テロ懸念で米誌掲載見合わせ
強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に関するオランダと日本などの研究論文2本
について、米科学誌サイエンスが生物テロに悪用される危険を理由に掲載を見合わせてい
ることが分かった。
オランダの論文では、H5N1の遺伝子を5か所変異させると人間同士での感染力をもつこ
とが説明されており、同誌を発行する米科学振興協会は生物兵器開発の参考にされると懸
念している。
強毒性H5N1は腸管の出血も起こし、死亡率が高い。現在は人間への感染力が非常に弱
く、人間同士での感染例は限られている。
しかし、同協会のホームページによると、オランダ・エラスムス医療センターのチームが、人
間への感染力を生み出す変異を発見し、遺伝子を組み換えたウイルスを作製。人間と似た
反応を示すフェレットの感染実験にも成功したという。東京大医科学研究所の河岡義裕教授
らの国際チームによる論文については、内容を明らかにしていない。
(2011年11月30日15時28分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111130-OYT1T00670.htm