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空飛ぶペリカン 見納め/宇部の常盤湖
2011年11月12日 asahi.com マイタウン山口

◆鳥インフル対応 網で囲い

  宇部市は、常盤湖で放し飼いしているペリカンの放鳥飼育を取りやめることを正式に決め
た。高病原性鳥インフルエンザへの対応策として、動物園などでの「放し飼い展示は原則として
中止する」との新たな国の指針を受け、感染防止対策を強化することにした。近くの幼稚園まで
空を飛んで通った「カッタ君」のような優雅な姿は、事実上、見られなくなる。

  動物園や公園で飼育されている動物には感染防止を定めた体系的な法律がなかったが、
環境省は10月下旬、野鳥との接触の可能性が大きく、多数の観覧者がある動物園や公園の
対応も含めた指針を公表。園内での放し飼い展示は原則として中止するよう求めた。

  市によると、常盤公園には現在30羽のペリカンがいて、9羽を遊園地の鳥舎で、自由に飛
べるように羽を切っていない8羽を含む21羽を常盤湖のペリカン島(約350平方メートル)で飼
育している。計画では、この8羽も早急に捕獲して羽を切り、島の周囲を網で囲む工事に着手す
る。

  市は今春、鳥インフルエンザの防疫のため常盤湖のハクチョウなど338羽を殺処分し、そ
の教訓を生かそうとペリカンの保護策の検討を重ねていた。また、鳥の飼育方法については
「常盤湖を考える市民委員会」が12月までの意見集約をめざしており、今後は国の指針に基づ
く議論に移る。
(具志堅直)
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000001111120001