日本経済新聞社が18日まとめた2010年度の通信販売の動向調査によると、売上高は前年度比4.1%増加した。
伸び率が前年を上回るのは5年ぶり。アパレルや食品などの分野で、ブランド力や信頼性の高い大手が通販事業を本格化し、
市場拡大をけん引した。手軽にインターネット通販を利用できるスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及もあり、
通販市場の成長が再加速する流れが出てきた。
「eショップ・通信販売調査」は今回が11回目。前の年度と比較可能な235社の総売上高は
09年度比4・1%増の2兆2348億2700万円。伸び率は前回調査を2・4ポイント上回った。
11年度予想(140社比較)は10年度比5・3%増と一段の市場拡大が見込まれる。
躍進が目立つのが通販以外を主な事業や販路とするアパレルや食品メーカー、
小売り大手など「兼業企業」だ。兼業の総売上高は09年度比5・6%増で、伸び率は専業(3・8%増)を上回る。
例えば、衣料品専門店のユナイテッドアローズのネット通販の売上高は3割増。
アマゾンジャパンの通販モールなど外部販路を拡充し、新作商品のネット先行受注などサービスも強化した。
11年4〜9月期も前年同期比17%増と好調で、ネット通販の売上高比率を早期に現在の10%から15%まで伸ばす考え。
ニトリホールディングスも通販売上高が1・5倍に拡大した。ネット通販用のデジタルカタログの拡充などの戦略が奏功した。
ファーストリテイリングは「ユニクロ」もネット通販の売り上げが2割増、
サントリーホールディングスも健康食品などを扱う通販子会社の売上高が13%増だった。
一方、販売形態別ではネット通販が11・5%増で、うちスマホを含む携帯通販は12・3%増となった。
携帯通販は11年度の予測も19・5%増とさらに伸びる見通しだ。カタログ販売は1・2%減で苦戦が続いている。
各社はスマホ経由でネット通販を利用する消費者がさらに増えるとみて対応を急ぐ。楽天やヤフーなど仮想モールの運営大手のほか、
ニッセンなどの通販専業やユナイテッドアローズなどもスマホ専用の通販サイトやアプリを展開している。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E3EAE2EA878DE3EAE3E2E0E2E3E38698E0E2E2E2