宇宙観光旅行の発着拠点となる宇宙港「スペースポートアメリカ」が米ニューメキシコ州に完成し、
事業主体の英ヴァージン・グループなどが17日、完成式典を開いた。
予約を済ませた日本人旅行客6人ら、世界各国から約800人が参加。
来年中の初フライトを目指しており“2012年宇宙の旅”へカウントダウンが始まった。
同州南部の都市ラスクルーセス近郊の砂漠地帯に、SF映画のような近未来的建造物が現れた。
式典では、ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長(61)が屋根から
ロープをつたって登場し、壁でシャンパンボトルを割るパフォーマンスを披露。
史上2番目に月面を歩いた元宇宙飛行士バズ・オルドリン氏(81)ら招待客は、
宇宙旅行時代の到来に大きな拍手を送った。
建物は、上空から見ると昆虫が羽を広げたようなデザイン。壁面はガラス板で覆われ、
太陽光に反射して輝く。格納庫のほか、管制室、旅客用準備エリアがある。地熱エネルギーを
利用するなど、環境にも配慮している。ブランソン氏は「この世界のものとは思えない建物だ。
これぞわれわれが造ろうとしたものだ」。宇宙船をつり下げた航空機の実演飛行も披露され、
来年中に目指す初フライトに大きく近づき、満面の笑みを見せた。
すでに米航空宇宙局(NASA)とも3回の調査飛行の契約を結んでいる。
兵庫県西宮市から訪れた会社役員山本美知子さん(61)は「民間人が宇宙に行ける時代が
来るとは夢にも思ってみなかった。航空機が飛ぶ様子はタンチョウヅルが舞う姿に
似ていて感動した」と搭乗の日が待ちきれない様子だった。
旅行代金は1人約20万ドル(約1540万円)。すでに世界で約450人以上が予約。
日本の代理店によると、日本人は現在13人(男性7、女性5、非公表1人)が
申し込んでいるという。
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http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/10/19/kiji/K20111019001847140.html