フィンランドのノキア(Nokia)が欧州時間21日に2011年第2四半期(4-6月期)
決算を発表し、同期のスマートフォン出荷台数が前年同期比34%減の1670万
台にとどまったことを明らかにした。
これにより、同期間中に2034万台のiPhoneを販売したアップル(Apple)が新た
に世界最大のスマートフォン・メーカーになったことが判明した。
ノキアは1996年に「Nokia Communicatar」を発売して以来、スマートフォン販売
台数で15年間首位の座を守ってきたが、2007年夏に初代iPhoneを発売した
アップルはわずか4年でこの首位の座を奪ったことになる。
また、ノキアはスマートフォンの売上金額でもすでにアップルから大きく水を開けら
れている。同期のスマートフォン売上はノキアが340億ドルだったのに対し、
アップルは4倍弱にあたる1330億ドルを記録している。
さらに、サムスン(Samsung)の同期中のスマートフォン出荷台数については、
1950万台前後との予想がアナリストらから出されており、この予想が大きく外れる
ことがなければ、ノキアはサムスンにも抜かれて一気に3位に転落することになる。
また、ノキアが苦戦しているのはスマートフォン市場だけではない。同社の4-6月期
の携帯電話機出荷台数は、前年同期比20%減の8850万台まで縮小しており、
調査会社IDCでは同期中にサムスンがノキアを抜き去る可能性があると予想していた。
スマートフォン市場で一時は65.5%ものシェアを誇ったノキアだが、2007年7月の
iPhone発売以降はシェアの低下が続いており、アップルやAndroid陣営のサムスンや
HTCなど各社が勢いを増すなかで、同社の市場シェアは2011年第1四半期に
24.3%まで減少していた。
この業績低迷を受け、ノキアは昨年9月にマイクロソフト(Microsoft)からステファン・
イーロップ(Stephen Elop)をCEOに招聘。今年2月にはマイクロソフトとの戦略提携
を発表し、同時に長年採用していた自社製OS「Symbian」に代えてマイクロソフトの
Windows Phone 7 OSを新たな主軸OSにすることを表明、今年から来年にかけて
同OS搭載スマートフォンの発売を予定しており、巻き返しを狙っている。
WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201107220936.html