7月22日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)のコンピューターが最近
ハッカー攻撃を受けた事件を調査している担当官は、中国に関連した
サイバースパイが仕掛けたものだと結論付けた。この調査に詳しい2人の
関係者が明らかにした。
IMFが6月8日に公表したサイバー被害について、コンピューター専門家は
攻撃の解明に数週間を費やした。
攻撃方法の分析に加え、IMFのコンピューターから大量の書類を削除した
際にハッカーが残した電子的な痕跡などが中国を指し示す証拠だという。
調査に関して発言する権限がないとして関係者が匿名を条件に述べたところ
によれば、数段階にわたる攻撃は米国を拠点とするサーバーも利用され、
5月31日に終わった。
今月就任したラガルドIMF専務理事は、中国人エコノミストの朱民氏を
副専務理事に指名し、IMFにおける中国の役割を大きく拡大した。
サーバー攻撃の調査担当者がこうした結論を示すことで、同専務理事の対応
が試されることにもなりそうだ。
米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のフレッド・バーグステン所長は、
「その振る舞いを考慮すれば、世界の経済システムで中国が演じている役割と
演じることのできる役割について幾つかの非常に大きな疑問がある」と述べた。
サイバー攻撃のタイミングは中国がIMFへの影響力拡大に向けロビー活動して
いた時期と重なるようにも見える。
IMFのデービッド・ホーリー報道官は21日、調査はまだ完了していないと説明
した。同じくIMFのウィリアム・マリー報道官はコメントを控えた。
在米中国大使館の王保東報道官は電子メールで、ハッカー攻撃は数10カ国
を巻き込む「国際的な問題」であり、「そうした事件を中国と故意に結び付ける
のは無責任だ」とコメントした。
Bloomberg.co.jp
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=ac.FJgv69JRc