データ・セキュリティはもはや技術的な問題ではなく、マネジメントの課題だ
過去20年間、ITが企業にもたらした主な利点は「効率」と「可能化」だ。
ITはプロセスを改善し、人々の生産性を高め、市場投入までの
時間(Time−to−Market)を短縮するとともに、以前には不可能だったことを
可能にした。これまでいちばん重視されてきたのは費用対効果である。
だがこの先10年、新たな課題となるのはデータだ。データ量が急増し、そうした事態を
受けて企業は必死にマイニングと格闘しているが、彼らの多くは十分な検討をせずに
データを格納し、使用してしまい、リスクを招いている。
データがらみの大規模なセキュリティ侵害や不祥事は、毎週のように報道されている。
2011年4月は特にひどかった。オランダのカーナビ端末メーカー、トムトムが利用者に
無断で警察に位置情報を売っていたことや、アップルが同社の端末でユーザーの
位置移動/使用情報を収集していたことなどが発覚した。さらに
電子メール・マーケティング企業イプシロンと日本ソニーがハッキング攻撃を受け、
数億人分の個人情報が盗まれた。これらの企業は目下のところ被害はないと
発表しているものの、こうした情報が今後絶対に悪用されないとは言い切れない。
さらに重要なのは、彼らの評判が著しく傷ついたことだ。
このような不祥事は、工業製品に欠陥が見つかってリコールが実施され、フランチャイズ全体に
影響を及ぼす事態とほとんど変わりがない。一部の企業はすでに
そうした事実に気づき始めているようだ。事実、ソニーは個人情報の流出を受けて
CISO(最高情報セキュリティ責任者)の役職を創設し、再発防止に努めようとしている。
ほかの企業もぜひ見習ってもらいたい。ただし、これだけでは問題の本質を
理解したことにはならないのだ。
*+*+ サーチナ +*+*
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0628&f=it_0628_001.shtml