☆憤りと悩み共有…兵庫過労死を考える家族の会☆
全国で自殺者が13年連続で3万人を超える中、過労自殺などで夫や子どもを亡くした兵
庫県内の遺族が集まり、活動を続けている。長時間・過重労働でうつを発症し、自ら命を
絶つ人が絶えず、遺族らは互いに支え合いながら、参加者の相談に耳を傾ける。過労自
殺の場合、労災が認められないケースが多く、例会には弁護士が参加し、労災申請など
の相談を支援している。(中部 剛)
兵庫過労死を考える家族の会「ひだまり」。運送会社に務めていた夫=当時(49)=を過
労による心筋梗塞で亡くした福原初子さん(59)らが中心になり、2003年2月に発足させ
た。2カ月に1回、神戸市中央区で例会を開き、神戸や姫路市の遺族らが集まる。
過労による自殺で夫や子どもに先立たれ、悩み、苦しみを打ち明ける。ある女性は「しゅう
とめになぜ死ぬまで働かせるのか、と責められた」「なんで私を捨てて自殺するの。夫を恨
みました」と話し涙を流した。別の女性は「仕事を苦にして亡くなったのに、なぜ会社に『ご
迷惑をおかけしました』と謝らないといけないのか」と憤った。
システムエンジニアの長男=当時(27)=を亡くした西垣迪世さん(66)=神戸市須磨区
=は「残された家族は言いようのない苦しみが残る。過労死を減らすために、国の対策が
必要」と訴える。
西垣さんの長男はうつ病を発症し、薬の過剰摂取で亡くなった。長時間労働が原因だとし
て労災申請したが認められず、今年3月の裁判を経てようやく認定された。過労自殺の労
災認定は難しいとされ、例会には明石市の渡部吉泰弁護士らが参加し、相談に乗る。
2010年の自殺者は全国で3万1690人、兵庫県内では1359人(警察庁調べ)に達して
おり、「ひだまり」では、全国過労死を考える家族の会とともに、国に過労死防止のための
法整備を求める。
福原さんは「不況で労働環境はますます厳しくなっている。大切な家族を亡くした人は一人
で悩まないで」と例会への参加を呼び掛けている。
次回の定例会は8月17日。
▽ソース:神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0004197609.shtml ▽画像:自殺遺族の悩みに耳を傾ける「ひだまり」の西垣さん、渡部弁護士(左)=神戸市中央区雲井通4
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/Images/04197610.jpg (2011/06/22 15:55)