大阪・キタの繁華街、北新地を悩ませていた自転車の違法駐輪が今年に入って“激減”している。
大阪市によると、先月の違法駐輪件数は昨年2月に比べ、約4割に減少。
平松邦夫市長の肝いりで違法駐輪の撤去に力を入れてきた同市は「対策が功を奏した」と胸を
張るが、自転車を通勤の足に使っていたホステスらが「不況や東日本大震災後の自粛ムードで
働き口を失い、通勤できなくなった側面もあるのでは」と指摘する声もあり、北新地を彩る
ホステスらの苦境の影響も大きいようだ。
大手企業が接待に利用するなど、高級社交場として知られる北新地は好景気に沸いた
バブル期には、タクシーを利用してクラブなどへ通勤するホステスが目立った。
しかし、近年では長引く不況の影響で通勤手段に自転車を使うホステスも増えたため、平日夜は
御堂筋から四つ橋筋にかけて2千台以上の違法駐輪があふれ、歩行者や緊急車両の通行を
妨げるなど市にとっても頭痛の種となっていた。
このため、市では平成21年度、北新地を放置自転車の禁止区域に設定。撤去作業を
進めるとともに、周辺に有料の駐輪場を設けるなど対策を強化した。市によると、昨年2月には
2753台を数えた違法駐輪は先月、1145台に激減したという。
同市自転車対策課は「対策が実を結びつつある。今後も違法駐輪をなくすため、
取り組みを続けたい」と強調する。
実際、北新地のワインバーで勤務する女性従業員(26)は「1年ほど前は、歩道が歩きにくい
状態になっていたため、北新地のイメージダウンを懸念していたが、最近はかなりすっきりした」と話す。
一方、市の担当者は「北新地の商売は景気に大きく左右される。不況に加え、震災などの
影響で企業の接待が減ったこともあり、通勤していたホステス自体が減っているのでは」と指摘する。
これに対し、北新地社交料飲協会は「違法駐輪の減少はこれまでのまちや行政、警察などの
努力によるもので、勤務するホステスが減っているという認識は持っていない」としているが、
「震災後の自粛ムードに伴い、北新地を訪れる客足は減少した。
ここは正念場だと思い、自分たちのおもてなしで華やかなまちを取り戻していきたい」と話している。
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110622/biz11062214380014-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110622/biz11062214380014-n2.htm