ハッカーグループのAnonymousとLulzSecが、銀行や政府機関など、名の通った組織を
ターゲットとする攻撃作戦で協力することを表明し、また、機密情報の窃取と漏えいを
人々に促す声明を発表した。
「AntiSec」と呼ぶ両グループの活動は、6月20日に最初の標的を定めたようだ。
この日、組織犯罪を取り締まる英国の公共機関Serious Organised Crime Agency
(SOCA)のウェブサイトがダウンした。
LulzSecは同キャンペーンを表明する声明を公開した後、Twitterへの投稿で
「#AntiSecの名のもと、標的--
http://t.co/JhcjgO9--は落ちた」と発言した。
SOCAのサイトは朝方ダウンしたが、昼頃には復旧した。
LulzSecは、声明で次のように述べている。「最優先課題は、保存されている電子
メールや書類など、政府の機密情報を窃取し漏えいさせることだ。主なターゲットは
銀行その他の重要組織だ。われわれの行く手を阻もうとするなら、トカゲの血を
塗りこんだ砲弾でそれを打ち砕く」
「昔のインターネットが戻ってきた。無政府状態だ。場所と時間を問わず、できうる限り
『AntiSec』を広めてもらいたい。『ハッカーたちよ、団結せよ』と言ったら少々クサいだろうか」
とLulzSecはTwitterに書き込み、その後のツイートでは次のように述べている。
「言うまでもなく、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃は、最も攻撃力は弱いが最も数量に
富んだ武器だ。政府へのハッキングは水面下で進行中だ」
LulzSecはここ最近、米中央情報局(CIA)、米国議会上院、米連邦捜査局(FBI)の
関連組織InfraGard、ソニーなどのサイトを攻撃してきた。相手を困らせて楽しむことが
目的のLulzSecは、Anonymousの一派とみられているが、冗談半分にAnonymousとは
対立しているふりをすることもある。
一方のAnonymousは、政治的な理由から、また言論の自由を支持するために組織を
攻撃する傾向のある「ハクティビズム」集団だ。これまでに、イラン、エジプト、トルコなどの
政府をターゲットとしてきた。
そのほか、「PlayStation 3」をハッキングした人物にソニーが法的措置をとったことへの
報復として同社を標的にし、また内部告発サイト「WikiLeaks」がオンライン寄付を
受け取れなくするため、同サイトへのサービスを停止したPayPal、Visa、MasterCard
などのサイトにも攻撃を仕掛けている。
CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/business/35004316/