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「同胞社会を元気にするためには、拠点となる支部、子どもたちを育てる学校が存在し、それらを支える
経済活動が活発でなければならない」
過去の歴史を見れば、在日朝鮮人運動の中心には常に青年たちがいた。1世たちは「無から有を創り
出した」。「おれたちもまだまだやれるはずだ。やればできる」。
もともと直前会長の一言でフォーラム開催に名乗りを挙げたが、岐阜県青商会のバトンを受け継いだ
メンバーらは「これはチャンス。ここでやらなければ何もかも終わる」と腹をくくった。
自分たちが中心となって同胞社会を活性化し、子どもたちに相互扶助の伝統を受け渡そう。「フォーラム
を起爆剤に」。思いは一致した。
岐阜県青商会では昨年11月24日、実行委員会を発足。以来、会議を重ね、議論をさらに深め、具体的な
準備を進めてきた。同胞を訪問し協賛広告を募り、当日の参加も呼びかけている。青商会中央や県商
工会をはじめ、各団体も全面協力している。
ふくらむ期待
5月29日、岐阜初中で行われた創立50周年記念行事には、雨にもかかわらず約500人が詰めかけた。
行事は大成功を収めた。
当初、フォーラムと創立記念事業が重なることで広がった「共倒れ」の懸念を見事に払拭した。今ではそれ
らが相乗効果を生んでいる。「次はフォーラムだ」。
当日の会場には、売店に立ち、雨でずぶ濡れになりながら後片付けに取りかかる青商会メンバーの姿が
あった。そんな彼らを見て、同胞たちは青商会に寄せる期待をそろって口にした。
「青商会の姿を見ると力が出る。同胞社会が明るくなるきっかけになれば」(李明美さん、50)、「後輩たち
はすごい。同胞社会を元気にするという目的が何より素晴らしい」(権五碩さん、44)、「青商会はまさに
今後の在日朝鮮人運動の担い手。彼らの活動により岐阜同胞社会の未来が切り開かれるだろう」
(権寧準さん、75)。
5月末、総連中央の許宗萬責任副議長もフォーラムに先立ち、現地を訪れた。岐阜での取り組みは、若い
世代が中心となり在日朝鮮人運動を再び盛り上げようとする動きだ。責任副議長の激励を受けた実行
委員たちはとまどいながらも、自分たちがなそうとしている「事の重大さ」をあらためて認識した様子だ。
フォーラム開催まで残り1カ月を切った。メンバーたちは与えられた任務を「黙々と」遂行している。
郭展明会長(41)は、「岐阜の同胞は情熱を内で燃やすタイプが多い。だが、当日来てくれる人により多
くのことを感じてもらえるよう全力で取り組んでいる。岐阜同胞社会に元気を与え、私たちのような『中小
地域』が抱える問題を克服するヒントになれば」と意気込みを語る。(李泰鎬)
■日時:7月3日(日)、12時開場、13時開演、長良川国際会議場
■アクセス:岐阜バス「市内ループ線」(JR岐阜駅前10番乗り場、もしくは名鉄岐阜駅前4番乗り場)で
「長良川国際会議場北口」下車徒歩2分。「三田洞線K50・K51・K55」(JR岐阜駅前10番乗り場、もしく
は名鉄岐阜駅前5番乗り場)で「長良川国際会議場前」下車徒歩2分。
以上