仙谷由人官房副長官は2011年5月30日午前の記者会見で、
遅れが指摘されている東日本大震災の被災者への義援金支給について、
阪神・淡路大震災時と異なり被災自治体が広範囲に及んでいる点を指摘した上で
「どこかの時点で人海戦術(事務手続き等に携わる人員の増加)をしなければいけない」
とスピードアップの必要性を述べた。
さらに、義援金を被災者に配布するには
「日本の"申請主義"が、今の時代のスピードと合わなくなってきている部分が多々ある」
と語った。
仙谷官房副長官とニコニコ動画の記者(七尾功)とのやりとりは以下のとおり。
七尾記者: 東日本大震災の被災者の方々への義援金の配布が遅れているとの指摘について、
ご見解をお願いしたい。
仙谷副長官: 皆さん一生懸命やっていただいているが、
おそらく700億円、3分の1の部分は県に下りているはずだ。
申請書を出していただいて、そこから一定のチェックをしながら、
それが振り込みを委託した銀行・郵便局に伝わればご本人のお手元の口座に届くはずになっている。
市町村の手間との関係で、
まだ届いていない部分の方が多いのかなと思っている。
これはまさにどこかは人海戦術をしなければいけないと思うが、
なかなかその手間がないのが実状なんだろうなと見ている。
被災者生活再建支援法に基づく100万円の基礎支援金も、
私が聞いているのは先週末で処理が出来ているのは2千数百件で、
申請が出ているのが1万件くらい、
こちらで想定した対象世帯が約10万件ではないか、こういう想定だ。
これら全てが番号制度でも共通番号でも皆さん持っておれば迅速、
簡潔に手続きが進むものと思うが、
すべて「申請主義」で市町村に申請して、
それが県にあがってきてというふうなやり方でそこには手間がものすごくかかる。
話は飛ぶが共通番号(制度)の問題が提起されている。
共通番号が権利性を非常に持っていて、
日本の「申請主義」というのが今の時代、
皆さん方が考えられているスピードと合わなくなってきている部分が多々ある。
そのひとつが今の義援金の支払いであったり先ほどの被災者生活再建支援金の支払いであったり、
それからもうひとつ災害弔意金というのがある。
国と地方公共団体がそれぞれ負担して行うもので、
亡くなられた方は500万円だったと思うがそのような申請にしても、
なぜこんなに大量な犠牲者がいらっしゃるのに2ヶ月半以上たってこうなのか。
これは阪神・淡路大震災の都市直下型災害と違う、
500kmに及ぶ海岸線で大津波の被害、
被災の状況と決定的に違うところかなと私は見ている。
◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv51673320?ref=news#19:28 http://news.nicovideo.jp/watch/nw68971