節電があだ? 暗がりに犯行 県内自販機狙い急増 1−4月で前年同期比1・7倍
下野新聞 2011年5月30日5時0分配信
清涼飲料水などの自動販売機から現金を盗む「自販機狙い」の被害が今年に
入ってから県内で急増している。県警生活安全企画課の29日までのまとめによると、
1〜4月末までの総認知件数は計243件で、前年同期比104件(74・8%)増。
東日本大震災後は、節電対策のため多くの自販機でディスプレーの照明部分を
消灯するなどしており、捜査関係者は「暗ければ、夜間の犯行がより容易になる
可能性もある」と警戒を強めている。
同課によると、増加傾向は2月ごろから目立ち始め、1〜2月末までの総認知
件数は前年同期比72件増の計139件。3月は震災が影響したとみられ、前年
同月比18件減の34件だったが、4月は70件(前年同月比50件増)と再び増加に転じた。
同課は増加の理由を「個人やグループが繰り返し犯行に及んでいるためでは」と分析。
栃木署管内では、一晩で十数台が被害に遭ったケースもあった。
狙われやすいのは、人目につきにくい道路や空き地などの自販機。犯人は夜間、
バールなどの工具で前面の扉をこじ開け、短時間で硬貨や紙幣を奪い取っている
とみられる。
一方、宇都宮市内の管理会社によると、震災以降は節電対策で多くの自販機が
24時間消灯した状態になっている。暗がりの方が犯行を容易にする、との指摘に
担当者は「防犯対策も重要だが、節電しない訳にもいかない」と頭を悩ませる。
同課は「センサーで電気がつく防犯灯や補助鍵の設置、売上金のこまめな回収も
有効な対策」と強調。一方で「不審者を発見した人はすぐ通報してほしい」と訴えている。
▽下野新聞
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