放射性物質:山の残雪からもセシウム検出 福島・民間調べ
毎日新聞 2011年5月29日20時46分配信
山岳愛好家らで作る「高山(たかやま)の原生林を守る会」は29日、福島市周辺の
山岳地帯から採取した雪の放射線量分析結果を公表した。標高1500メートル以下を
中心に高濃度の放射性セシウムが検出され、最高は箕輪山東斜面の1338メートル
地点で1キロ当たり2968ベクレルだった。市内の阿武隈川のヤマメなど川魚からは国の
暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回るセシウムが検出され、雪解け水の流入が
原因とみられるという。
4月17日〜5月5日に31地点で採取し、東大アイソトープ総合センターで分析した。
箕輪山では1146メートル地点の雪でも1734ベクレルを検出。山頂西側地点では
185ベクレルだった。
このほか、和尚山東斜面(1000メートル)1180ベクレル▽安達太良山東斜面
(1530メートル)775ベクレル▽東吾妻山山頂東側(1964メートル)406ベクレルなど。
福島大の予測では、福島第1原発3号機で水素爆発があった翌日の3月15日、
福島市の上空1500メートル付近に飛散してきた放射性物質が雨で地上に落ちたと
みられており、今回の調査結果は予測を裏付ける結果となった。
同会の佐藤守代表は「広い範囲の雪解け水が河川や沼に流れ込み、放射性物質が
濃縮されている恐れがある。水質や水生生物の詳細な調査が必要だ」と指摘した。【関雄輔】
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▽毎日新聞
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/radioactive/news/20110530k0000m040103000c.html