沖縄防衛局が今年3月、米軍キャンプ桑江(北谷町)北側の返還跡地内に
埋まっていた非飛散性アスベストの廃材や鉛を含んだ土などの有害物質計
1930立方メートルを、農地法に違反し、沖縄市登川の私有地に保管させて
いることが25日、分かった。
沖縄防衛局は取材に対し、農地法違反を認めた上で「委託業者は契約の際に
地主から山林だとの説明を受けていた。5月に(事業者が)県の指導を
受けたので、しかるべき手続きを取るよう指示をしている」と釈明し、
遅くとも今年12月までに撤去する方針を示している。
防衛局の大東隆次長は24日、沖縄市の東門美津子市長の「事前説明がなく、
早期撤去を求める」という趣旨の抗議に対し「県(環境部局)の指示を受け、
適正に処理している」と説明していた。だが、防衛局は25日、一転して
農地法違反を認め、事業者へ指示をしていることを認めた。
防衛局によると、汚染土壌のうち、アスベストは委託業者が今年3月末までに
県外の処理施設に運ぶ計画だった。しかし、アスベストを含む有害物質の総量が
当初見込みを大きく上回ったため、県外搬出ができず、業者が一時保管場所として
沖縄市内の私有地に運んだという。
北谷町がキャンプ桑江北側の跡地利用計画を進めており、同地から早急に
有害物質を移動させる必要があり、業者側に搬出先を探し、保管するよう求めていた。
有害物質の保管を受け、沖縄市農業委員会は25日、現地調査を実施、防衛局の
委託を受けた事業者から説明を受けた。
事業者側は「3月末までに保管場所を探さなければならず、この場所になった。
地主の了解があれば、搬入してもいいという認識だった。認識が甘く、地主や
周辺住民に迷惑を掛けた」と謝罪した。
【沖縄タイムス】
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-05-26_18309/