☆富山湾の津波シミュレーション☆
[2011 年 05 月 25 日 15:23]
東日本大震災では、津波が大きな被害をもたらしました。
もし富山湾で大地震が起きた場合、津波が沿岸まで到達する時間はどのくらいなので
しょうか。
県内の研究者がコンピュータでのシミュレーションで導き出しました。
その時間は、県東部の沿岸でわずか4分間です。
富山湾の津波のシミュレーションを行ったのは富山大学大学院講師の奥村弘さんです。
奥村さん「呉羽山断層帯が沖合いに延びていることがわかって、そこで海底が、ちょうど、
断層にそって東側が下がって西側が隆起する、そのときに津波がどのように富山湾の
海岸にどれぐらいの時間でどれぐらいの高さで到達するか、ということを調べてみまし
た」
地震発生直後、沖合いに直線状に延びる断層帯付近で海面の変動が起きます。
断層の構造から、まず東側で海面の低下、西側で上昇が生じます。
その後、津波が海岸へ押し寄せますが、特に注目すべきは、県東部の沿岸です。
赤色の津波が一気に海岸に押し寄せています。
その時間はわずか4分間です。
奥村さん「波の伝わる速度は水深に比例します」「水深が深ければ、波の速度がそれに
比例して速くなるんです。ですから、一般的な津波は大体時速が4、50キロぐらいなん
ですけども、富山湾の場合には60キロ、70キロ、大変速いスピードで海岸に押し寄せ
てくると」
県東部は、海岸から急激に水深が深くなっているため、津波のスピードが衰えることな
く到達するのです。
一方、県西部では呉羽山断層から距離があり、沿岸近くに浅い部分があることなどから
津波の到達時間が遅くなり波の高さも比較的低くなるといいます。
奥村さん「いままで富山県の海岸では津波というものを基本的にあまり考えてこなか
ったですね。」「起きたら、海岸付近の人はもう逃げる時間がほとんどありませんので」
「あらかじめしっかりとした、防災のシステム、ハード的にもソフト的にも、備える必要
がありますね」
富山県は、地域防災計画の見直しを進めていますが、今回のシミュレーションでわかっ
た富山湾ならではの特徴も、防災対策にいかに反映させていくか、今後の課題です。
▽ソース:KNBニュース
http://www2.knb.ne.jp/news/20110525_28224.htm ▽動画
http://www2.knb.ne.jp/news/20110525_28224.htm# http://www2.knb.ne.jp/news/asp/XVideoAsx.asp?Order=news/20110525_28224_w