☆シアトル・マリナーズ「納豆打線」の秘密を探る|2011年MLBペナントレース☆
[2011年05月25日10時00分]
シアトル・マリナーズ=SEAが、借金1にまで回復してきた。6連勝。これまでは投手陣
の優秀さばかり目立っていたが、昨日などは粘りに粘る打線で勝った。大物を獲得し
たわけではない。既存の選手がうまく機能しているのだ。去年と何がどう変わったか、
その秘密を数字で見てみる。
http://image.news.livedoor.com/newsimage/3/4/34b6b06cd57cdb554285e68fffa7adf5.jpg まずは打撃の収支。自チーム(SEA)の打撃成績と、相手チーム(OPP)の打撃成績。
つまり「打った」記録と「打たれた」記録の比較。RBI/Gは1試合当たりの打点。打点生
産性とでも呼ぶべき数字。TB/Hは平均塁打。
2010年と2011年でSEAの打線は大差がない。出塁率、長打率、平均塁打はむしろ下が
っている。しかし、打点生産性が明白に上がっている。相手チームとの比較では、2010
年がSEA2.99、OPP4.07、つまり3点取って4点取られていたのに対し、今年はSEA3.51、
OPP3.53とイーブンにまで戻している。これは、投手陣がさらに優秀になったということだ
が、同時に、打線の力は変わらないが、得点に絡むようになったということだ。
打線のどこが良くなったのか。打順別に成績を昨年と比較してみよう。右端はその打順
で最も打席数が多かった選手名。
http://image.news.livedoor.com/newsimage/3/b/3b48d382683b94614d054c0f863026e0.jpg イチロー、フィギンズが昨年よりも打点生産性が上がっている。昨年はブラニャンとホセ・
ロペスが中軸としてそれなりの数字を残した。これに比べれば今年の3、4番はむしろ下が
っているが、5番以降の下位打線の打点生産性が向上している。グラフにしてみると、昨
年との違いがより鮮明になる。
http://image.news.livedoor.com/newsimage/5/0/506ef62dbd44d3ae241dff0bc94440af.jpg 昨年は3、4番こそ打点を稼いでいたものの、他の打者は打点生産性が低かった。相手投
手にしてみれば、3、4番にだけ気を付けていれば他の打者は安全パイだった。今年は、上
位も下位もまんべんなく打点を稼いでいる。つまり、1番から9番まで打線のつながりがで
きているのだ。昨日のミネソタ・ツインズ=MIN戦では、延長10回にイチローが送りバント
をし、ルイス・ロドリゲスが犠飛で決勝点を挙げた。個々の打力ではなく、一人ひとりがで
きることをして、得点に絡んでいこうという意識が生まれているように思う。結果として粘り
強い打線が生まれつつある。
最近のSEAは、大型補強をした年には見事にひっくり返り、補強をしない年に好成績を上
げている。GMなど首脳陣に選手を見る目がないのかもしれないが、そもそもニューヨー
ク・ヤンキーズやボストン・レッドソックスみたいな派手な選手漁りは柄に合わないのでは
ないか。万年下位のSEAは、ウェーバー制によって有望選手を数多く獲得してきた。選手
育成こそがSEAの生きる道なのだ。今年もピネダ、ぺゲーロ、マイク・ウィルソンなどの新
人が出場している。間もなく大型新人ダスティン・アックリーも上がってくるだろう。SEAは
生え抜き、無名選手をうまく活用して納豆みたいな粘りで活路を開くべきだ。
▽ソース:ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/5583307/