☆活火山:風不死岳、雄阿寒岳、天頂山、追加認定へ /北海道☆
◆1万年以内に活動の痕跡見つかる
気象庁が活火山の定義の一つとする1万年以内の活動の痕跡が風不死(ふっぷし)岳
(千歳市、1102メートル)など道内3山で見つかり、報告を受けた国の火山噴火予知
連絡会が6月7日の会議で、新たに活火山に認定する見込みだ。過去の活動歴が20
00年前から1万年前に変更された03年以降では全国初の追加。いずれも現在は目立
った活動がなく、防災態勢を強化する必要はないと考えられるが、火山研究のうえで重
要な発見として注目されている。
風不死岳は3万年前には活動を開始していたとみられるが、最後がいつかは不明だっ
た。北海道大学の中川光弘教授(火山学)らが南西側麓(ふもと)を調査。08年までに
地下1メートル前後で発見した火山灰や軽石などの堆積(たいせき)物が、化学成分か
ら風不死岳の噴火によるもので、8500年前のマグマ水蒸気爆発、4500年前の水蒸
気爆発の痕跡と分かった。
従来から活火山とされている樽前山(千歳市・白老町、1041メートル)が南東3・5キロ
にあり、中川教授は「9000年前に始まった樽前山の活動は、風不死岳から移動したも
のと考えられ、両山は一つの活火山と考えるのが自然」と指摘。気象庁は樽前山の範囲
に風不死岳も含め、一体とした「樽前山」として防災に取り組む方針という。
他の2山のうち、雄阿寒岳(釧路市、1370メートル)では、中川教授らの07年までの調
査で、噴出物などから1000〜2000年前まで山頂火口の活動があったとみられること
が分かった。天頂山(斜里町・羅臼町、1046メートル)では、室蘭工業大学の後藤芳彦
准教授(火山地質学)が05年までに山頂南側の中腹で、2000年前の噴火による噴出
物を見つけた。この2山は独立した活火山として認定される。
■ことば
◇活火山
気象庁は過去1万年以内に噴火したか、現在噴気が出るなど活発な火山活動がある山
を活火山と定義している。過去の噴火は03年までは2000年以内としていたが、それ以
降は国際標準の1万年以内とし、活火山は全国86山から108山に増えた。6月の3山追
加では、風不死岳が樽前山に含まれるため110山、道内は20山になる。
▽ソース:毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110524ddlk01040264000c.html