☆母親の高2女子書類送検 男子生徒を観護措置☆
湯沢市の公園に生後間もない女児が置き去りにされた事件で、湯沢署は19日、母親
で県南部の高校2年の女子生徒(16)を保護責任者遺棄致傷容疑で秋田地検に書類
送検した。秋田地検は同日、女子生徒と交際していた女児の父親で、保護責任者遺棄
容疑で逮捕、同致傷容疑で送検されていた県南部の別の高校に通う2年の男子生徒
(16)と、女子生徒を、保護責任者遺棄致傷の非行事実で秋田家裁に送致した。秋田
家裁は男子生徒の観護措置を即日決定。男子生徒は秋田少年鑑別所に収容された。
湯沢署の発表などによると、女子生徒は5月7日午前2時25分頃、男子生徒と共謀し、
湯沢市古館山の市中央公園にある野外ステージのベンチに女児を遺棄し、重度の低
体温症を負わせた疑い。
調べに対し、女子生徒は「家族に相談できず、お金もなく、処置に困って置き去りにし
た」と供述しているという。
女児は同日午前6時半頃、通りがかった女性に発見され、保護された。現在も経過観
察で入院しているが、命に別条はない。
女子生徒は出産直後だったため、相談を持ちかけられた男子生徒が1人で女児を公園
に連れて行ったという。女児を置き去りにした後、女子生徒は入院したが既に退院。同
署が任意で事情を聞いていた。
この公園を毎日散歩しているという70歳代の男性によると、2人は1年ほど前から毎日
のように、女児を置き去りにしたベンチに座り教科書やノートを広げて勉強していたとい
う。男性は「通りがかると、大きな声であいさつをするような子たちだった。こんなことに
なってびっくりしている」と話した。
女子生徒が通っていたとされる高校の教頭は19日、読売新聞の取材に対し、「県教委
から、県南のすべての高校は事件について一切話さないよう指示されているので答え
られない」と話した。男子生徒が通っていたとみられる高校の教頭は「この件について
話せることはない」と話した。
◇県教委命の大切さ指導徹底呼びかけ
湯沢市の乳児置き去り事件を受け、県教委は19日、各市町村教委の教育長らを集め
た秋田市内での会議で、命の大切さや性のあり方について、小中学校段階から指導を
徹底するよう呼びかけた。
県教委は、父親の男子生徒が逮捕された翌日の5月9日、県内の全高校に命の大切さ
と性に関する指導の徹底を求める通達を出した。16〜18日、県内3地区で行われた高
校の校長会議では、県教委が「なぜ生徒の異変に気付けなかったのか」「なぜ生徒は教
師に相談できなかったのか」などの問題点を提起。各学校で話し合いの場を持つよう求
めた。
県教委は2000年度以降、高校で産婦人科医が性教育の講座を行ったり、小中学校で
の性教育に力を入れてきた。だが、本県では、15歳以上20歳未満の女子1000人当た
りの人工妊娠中絶件数が09年度、8・0件と全国平均を0・9件上回る。07、08年度を
除き、近年は全国平均を上回る状態が続いている。
県教委の担当者は19日、読売新聞の取材に「性の知識ばかりでなく、心やコミュニケー
ションの問題など様々な観点から指導を見直す必要がある」と話した。
(2011年5月20日)
▽ソース:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20110519-OYT8T01173.htm ▽画像:乳児が置き去りにされていた野外ステージのベンチ
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110519-037278-1-L.jpg