☆「いいね!」ボタンはあなたを見ている☆
[2011年 5月 19日 18:14]
フェイスブックのユーザーは「いいね!」ボタン、ツイッターのユーザーは「ツイート」ボ
タンで友達と情報を共有する。しかし、こうしたボタンは、このサービスの運営者に、ユ
ーザーがどのようなウェブサイトを訪問しているかの情報を収集させている。ニュース
や小売商品のサイトの上部に並んでいる、こうした「ウィジェット」と呼ばれるボタンは、
ユーザーがこのボタンをクリックしなくても、フェイスブックやツイッターなどに、ユーザ
ーのウェブ閲覧情報を知らせるようになっている。グーグルの技術者だったブライアン・
ケニッシュ氏に昨年ウォール・ストリート・ジャーナルが依頼した調査でこうしたことが明
らかになった。ケニッシュ氏が昨年立ち上げた「ディスコネクト」社はウィジェットによるデ
ータ収集を阻止するソフトウェアを提供している。
ウィジェットは、この1年で急速に増えた。ケニッシュ氏の調査によると、フェイスブックの
ボタンは世界の人気トップ1000のウェブサイトの3分の1に付けられているという。
ウィジェットは、ユーザーが情報を友人と共有したり、ウェブサイトの訪問者を増やしたり
するためのツールとして作られた。しかし、この機能はユーザーのネット・サーフィンの傾
向とソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の情報をリンクさせる。そのSNSには
実名など個人情報が登録されているものも多い。
今回の調査によって、ユーザーが「いいね!」をクリックしなくても、ブラウザを閉じてもパ
ソコンを消しても、過去1カ月に1度ログインしただけで、フェイスブックやツイッターのサイ
トからログオフしない限り、情報が収集できるようになっていることが明らかになった。
フェイスブックの最高技術責任者(CTO)のブレット・テイラー氏は、ウィジェットは、サイト
の訪問者に記事の人気度を知らせる機能であり、「ユーザーの追跡のためには使ってい
ない。ウィジェットは追跡のために作られたものではない」と強調する。
プライバシー保護団体エレクトロニック・フロンティア・ファンデーションのピーター・エカー
ズリー氏は「インターネットで何を読むかで、われわれの政治や宗教についての考え方、
健康上、人間関係の問題などあらゆることがわかってしまう。図書館を歩き回っていると
きに、見えない誰かに肩越しにのぞき込まれているようなもの」と警告する。
▽ソース:ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_238634