☆鹿島、安川電機/段ボール開封のロボット化実現/医薬品や食品工場に売り込み☆
鹿島と安川電機は、医薬品工場や食品工場などで、原材料の入った段ボールや紙袋
などの梱包を開封するロボットシステム「自動開梱システム」を開発した。安川電機が
開発した双腕形ロボットを用い、原材料などが梱包された段ボールの外装テープの切
断、原材料の取り出し、段ボールの解体などの一連の動作を自動的に行う。現在施工
中のニプロファーマ伊勢工場(三重県伊勢市)の資材開梱作業への導入がすでに決ま
っており、両社では今後、開梱だけでなく、原材料の詰め替え、容器の洗浄などの作業
への適用を引き続き研究する方針。
同システムは、安川電機がロボット本体の開発を、鹿島が生産システム全体のノウハウ
を提供することで開発された。これまで人の手で行われていた開梱作業を、ロボットシス
テムで自動化したのは日本初となる。システムの核となるロボットは安川電機が開発した
7軸双腕形ロボット「MOTOMAN−SDA20D」。可搬重量は片腕で20キログラム。腕の
先端には、人間の手にあたる「ハンド」があり、そのハンドで複数のツール(道具)を用い、
対象物の位置決め、カッターナイフによる外装切断、原材料の取り出し、外装の解体・回
収などを行う。
作業対象物の位置認識や動作の完了確認のための各種センサーを備え、作業ミスの防
止機能やリトライ機能を搭載。あらかじめ原材料のデータを複数登録しておくことで、1台
のロボットで異なる外形の荷姿にも対応が可能だ。人と同等の時間で段ボールや紙袋の
開梱作業を行うことができるほか、システムがコンパクトかつ独立しているため、既存施設
への導入も容易。24時間稼働ができ、最低限の空間内での作業ができるため、生産性の
向上や人件費の削減、節電効果なども期待できる。
ロボット自体は汎用性があるものの、個別のニーズに対応した単品生産(プロフラムなど)
となるため、価格は決まっていない。ただ、「想像以上の短期間で減価償却ができる」(鹿島
担当者)という。鹿島では年間30〜40件程度ある生産施設のコンペ案件などに同システ
ムを提案していくとともに、既存施設への単品での売り込みも行う。同システムの導入が決
まったニプロファーマのほかに、すでに5件程度の引き合いがあるという。
[2011/05/19]
▽ソース:日刊建設工業新聞
http://www.decn.co.jp/decn/modules/dailynews/news.php/?storyid=201105190301001