☆県、防災体制見直しへ 富士噴火想定し部会新設 山梨☆
[2011.5.19 01:57]
県は東日本大震災をきっかけに防災体制の見直しを本格化させ、各業界団体代表者
らを委員とする県防災会議を18日に開催して、防災計画の総点検に着手した。今回
の大震災で顕在化した被災自治体の行政機能マヒや交通機能のマヒに伴う帰宅困難
者の発生などあらゆる課題を抽出して地域防災計画に反映させる方針。年内にも修正
案をまとめ消防庁に報告する。また県防災会議は組織内に新たに「富士山火山部会」
を設けることを決めた。
防災体制の点検実施に関しては消防庁から今月6日に、地域の実情に応じて必要な緊
急点検を行うよう都道府県知事に通知が出された。特に留意事項では市町村機能が喪
失した際の災害対策本部機能の維持・確保の検討、住民への避難指示伝達を迅速・確
実に行える体制構築、中長期避難者の健康被害への対応、物資の備蓄・輸送路確保、
都道府県区域を越えた相互応援協定の締結などをまとめて示した。
県では東日本大震災によって津波被害や原子力発電所事故など予測を超える事態が発
生したことを重く受け止め、東海地震の発生に加え富士山の噴火が懸念されることから、
すでに4月から地域防災計画総点検の準備に着手していた。
東日本大震災から教訓として得たのは「想定を超える規模の災害発生」。これを基に行政
機能のマヒ、孤立集落・壊滅的集落の発生、避難所の被災、安否情報・避難情報の把握
不能、ライフラインの途絶、交通途絶による燃料の供給不足、燃料不足による食糧など緊
急物資輸送の遅延、交通マヒに伴う帰宅困難者の発生、電力供給不足、風評被害などが
浮き彫りとなった。
県防災会議はライフライン関連や鉄道バス、輸送、警察、陸上自衛隊などの56人の委
員で構成。会議では計画の総点検・見直し作業に先立ち、各委員から東日本大震災で
浮き彫りとなった課題を中心に、それぞれの立場から「防災体制の点検表」を作成して、
6月20日までに提出することとした。県庁内の防災対策推進会議も同時に「やまなし防
災アクションプラン」の全面改定を行う。原子力発電所の被害を想定して新たに避難地
域指定にも踏み込む。
また県防災会議条例では部会設置規定がある。これまでに有識者を交えた地震部会と水
防部会があったが、今回の計画総点検では富士山火山防災に関しても見直すべきだとす
る考えがあり、設置を決めた。富士山の火山防災に関しては、平成16年に有識者で構成
した「富士山ハザードマップ検討委員会」が防災対策に関する報告書を作成。周辺7市町
村が報告書をもとに18年に避難路などを示した富士山火山防災避難マップを作成し全戸
に配布し住民説明会を開催した経緯がある。県でも関係市町村と連携するため富士山火
山防災対策会議を設けているが、新設の火山部会では従来の想定を超える被害が発生
する恐れがあることを念頭に防災体制を根本から練り直すことにした。
▽ソース:MSN産経
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110519/ymn11051901570000-n1.htm