☆変わる校長先生の役割 「管理型」から「マネジメント型」へ☆
[2011/05/16]
校長先生といえば、学校で一番偉い人です。そんな校長先生に、今、どんな力が求め
られているのでしょうか? 国が主催する教員研修を行う独立行政法人「教員研修センタ
ー」は、今年度から、従来の校長研修の内容を大幅に見直して、「校長マネジメント研修
」を始めました。これからの校長に必要なのはマネジメント能力だというわけです。校長
先生の仕事も、これから大きく変わってくるようです。
では、なぜ校長に、マネジメント能力が求められるようになったのでしょうか。これまで、校
長に求められる力は、豊かな教育実践の経験、リーダーシップ、みんなから信頼されるよ
うな人柄、学校経営の力などが挙げられていました。とりわけ近年、重視されるようになっ
てきたのが、学校経営力でした。その背景には、学校全体が組織的に対応しないと解決で
きないような問題が増えたことがあります。
しかし最近では、学校「経営」力だけでは十分ではないと指摘されるようになってきました。
中央教育審議会の教員の資質能力向上特別部会は、今年1月にまとめた審議経過報告の
中で、「マネジメント型管理職」を養成することを打ち出しています。その理由として、子ども
や保護者の要望が多様化したことや、今後10年間で教員の約3分の1が入れ替わることな
どが挙げられています。つまり、これまでのように組織をつつがなく運営するだけの「管理型
管理職」では、もう時代の変化に対応できないということです。
では、マネジメント型管理職の能力とは、具体的にどんなものでしょうか。先の審議経過報告
は、教員個人の力量に頼らず、チームとして問題を解決する力などを例示しています。特に
文科省が重視しているのが、保護者や地域と一体となって子どもたちの教育に当たる「コーデ
ィネーター」(調整役)としての力量です。
これには、「新しい公共」という民主党政権の考え方が反映しているようです。学校教育分野で
は、学校が積極的に働き掛けていくことで地域や家庭の教育力を復活させ、学校と保護者・地
域住民が一緒になって子どもたちを教育していこうというものです。鈴木寛文部科学副大臣は
教育雑誌のインタビューなどで、「上意下達でルールを守らせていく管理型管理職は、もういら
ない」と断言して、保護者・地域・学校を一体化できるマネジメント型管理職が必要だと訴えてい
ます。
教員研修センターの校長マネジメント研修では、民間人校長として地域住民と一体となった学
校づくりで知られる藤原和博・前東京都杉並区立和田中学校長らが講師となる予定です。
▽ソース:Benesse教育ニュース
http://benesse.jp/blog/20110516/p1.html