新燃岳の噴火災害や復興策などを話し合う「火山防災・復興フォーラム」が13日、小林市文化会館で開かれた。
講演した火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東京大名誉教授は、
「新燃岳の活動は比較的落ち着いているが、今後も爆発的噴火の可能性は否定できない」
として、注意を呼びかけた。(麻生淳志)
火山災害への防災意識を高めてもらおうと、宮崎、鹿児島県境の5市1町(都城市、小林市、えびの市、高原町、鹿児島県霧島市、曽於市)でつくる「霧島ジオパーク推進連絡協議会」などが開いた。
市内外から約1200人が来場。
藤井会長は1月26日以降の噴火で、地下にたまったマグマの3分の2から半分を放出したと説明。
山の傾斜などの観測結果で、マグマだまりへの供給は続いており、
現在は噴火前とほぼ同じ量を蓄積している可能性があると指摘した。
また、「活火山はいつか必ず噴火する」とし、
「東日本大震災を教訓に、想定外とならないよう、避難所や噴火情報の確認を怠らず、噴火時は火山れきや火砕流などに警戒し、必要ならすぐに避難して」と話した。
山麓の首長や防災、観光関係者らによるパネルディスカッションもあり、降灰被害や土石流に備えた取り組みなどが報告された。
講演会後、藤井会長は噴火の見通しについて
「地下のマグマが火口近くに移動した形跡がないため、すぐに爆発的噴火が起きることはないだろう」と話した。
この日は霧島ジオパーク推進連絡協議会の総会も開かれ、会長の前田終止・霧島市長は
「霧島が国立公園に認定されて80年になる2014年3月までに、世界ジオパークネットワークに加盟したい」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20110513-OYT8T01261.htm