☆住基ネット復帰 国立市は「違法」解消した☆
[2011.5.9 03:48]
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から離脱していた東京都国立市が再接続を正
式に表明した。先月の統一地方選で初当選した佐藤一夫市長が初登庁で公約の実行
に改めて触れ、「市民生活への支障を取り除くためにも、できるだけ早く接続したい」と
述べた。違法状態の解消は当然の判断だ。新市長の決定を強く支持したい。
住基ネットは、地方自治体がそれぞれ管理する住民基本台帳のデータを専用の回線
で共有するシステムだ。コード番号で一元管理することで、全国どこでも住民票の交付
が受けられる。旅券や住民票といった公的証書の交付や納税、年金受給の手続きなど
が大幅に簡素化できる利点もある。
東日本大震災では、町役場ごと津波にのまれ、住民データがすべて失われたところも
あった。いまは氏名や生年月日、性別、住所の4つの個人情報に限定されている住基ネ
ットだが、必要な住民データを事前に共有しておけば緊急事態にも活用できる。
政府が社会保障と税の一体改革のために導入を目指す共通番号制度の基盤システム
としても有力視されている。
これに対して国立市は、住基ネットが稼働して間もない平成14年12月、当時の上原公
子市長が「市民の情報保護に責任を持てない」として離脱を決めた。今回、現職として再
選を目指した関口博氏も上原氏の判断を継承してきた。
住基ネットについては、最高裁が平成20年3月に下した明快な合憲判断がある。接続を
求めて住民が起こした訴訟でも東京地裁は今年2月、離脱を違法とする判決を出してい
る。違法を承知で接続を拒んできた従来の姿勢は異常というほかない。
佐藤新市長は当選後、「法を守る人と守らない人のどちらを選ぶかという実に単純な選挙
だった」と述べた。その通りだろう。
国立市の方針転換により、同ネットから離脱を続ける自治体は全国で福島県矢祭町だけ
となる。その矢祭町も今回の統一選で28年ぶりの町長選が行われたが、結果は接続を
公約にした前町議が46票の僅差で敗れた。
すべての自治体が参加してこそ最大の効果を発揮するのが住基ネットの仕組みだ。違法
状態の長期化は、矢祭町民だけの不利益では済まない。
▽ソース:MSN産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110509/lcl11050903480000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110509/lcl11050903480000-n2.htm