☆M8・5で東海岸津波20メートル 琉大准教授予測☆
[2011年5月10日 09時21分]
沖縄本島沖の琉球海溝を震源とするマグニチュード(M)8・5の地震が発生したとの
想定で、本島沿岸部に押し寄せる津波の高さ(波高)を琉球大理学部の中村衛准教
授(41)=地震学=が予測した。沖縄があるユーラシアプレートに、太平洋側のフィリ
ピン海プレートが沈み込む同海溝は、巨大地震を引き起こすひずみがたまっている
恐れがあり、予測によると東海岸の広い範囲で20メートルを超える津波が発生。5階
建ての建物に相当する標高15メートルの地域まで、浸水する危険があると警鐘を鳴
らす。
中村准教授ら琉大研究班は2008年から、名古屋大、県水産海洋研究センターなど
と合同で地震発生予測調査を実施。沖縄本島の南約100キロの琉球海溝の海底で、
プレート同士がくっつき、ずれる時の反発で地震を起こす固着域を見つけた。この固
着域がずれることにより「M8を超える巨大地震が発生し、沖縄本島は震度6前後の
揺れに見舞われる可能性がある」と指摘する。
県が07年3月に出した津波・高潮被害想定調査は、沖縄周辺の海底活断層などでM
7・8の地震を想定。津波が海岸から陸地へかけ上がる高さを示す遡上高(そじょうこ
う)は、東海岸では、名護市内の15メートルを最高に、2〜7メートル前後と予想されて
いる。数値が高いのはV字型湾になっていて、波が集まりやすい地形だからだ。
一方、琉球海溝でM8・5の地震が発生した場合、遡上高は「現在の県の被害予想の
2〜3倍に達する」と中村准教授。沿岸部の波高は東村平良が26メートル、南城市で
も20メートル以上を予測。小さな離島や沿岸部の市街地など標高15メートルの地域
が浸水する危険がある高さだ。さらに、西海岸にも波が回り込み、那覇市では10メート
ルに達する恐れがあるという。
東日本大震災を引き起こした日本海溝付近から東北の三陸海岸までは約200キロ。
対して琉球海溝から沖縄本島までの距離が約100キロと短いことから、中村准教授は
津波は東日本大震災の半分の20分程度で本島へ到達するとみる。「高台に避難する
時間はかなり短いだろう。従来は3階建ての建物が避難の目安だが、今後は6階建て程
度の建物に目星を付ける必要がある。まずは3階に避難し、さらに上の階を目指す心積
もりを」と強調した。
▽ソース:沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-05-10_17591/ ▽画像:沖縄本島の津波予測
http://www.okinawatimes.co.jp/article_images/20110510/20110510_1119_lZsTahzg_r.jpg