☆プロ野球、伸び悩む集客 セ平均三千人減、パは一千人 開幕1カ月☆
[2011年5月10日10時54分]
プロ野球は開幕から約1カ月。東日本大震災の影響で開幕が18日遅れ、4月の東京
電力、東北電力管内でのナイター自粛など異例の事態が続くなか、観客動員は伸び
悩む。震災の影響を最小限にとどめようと、球界の努力が続く。
8日現在の観客動員数はセ・リーグが1試合平均で約2万5500人。パが約2万1800
人。昨季と比べると、セは約3千人、パは約1千人減っている。
被災地・仙台を本拠とする楽天。4月29日からの本拠Kスタ宮城での開幕3連戦は平均
約1万9400人を動員したが、5月6〜8日の3連戦は平均約1万6千人。営業担当者は
「1万8千人は入ると思っていたが。やはり震災の影響は財布のひもにも、という部分は
ある」。星野監督就任で売れ行き好調だった年間チケットも、震災で約5%のキャンセル
が出た。球場の補修費も1億円近くかかり、宮城県の負担分を差し引いても数千万円の
出費だ。担当者は「夏に向けて色々なイベントを考えています」。
ロッテは8日までの平均観客数が昨年比で約7千人も減って約1万4300人。ただ、年間
シートや看板料での減収は予想より少なく、グッズ販売でも健闘した。石川運営本部長は
「当初は20〜25%減を覚悟していたが、全体では10%減に抑えられた」という。
被災地から最も遠いソフトバンクも平均観客数が昨季より約3千人減っている。広報担当
者は「前年比15%減くらいの印象。消費マインドが冷え込んだのは否定できない」と話す。
一方、平日のデーゲームが6試合あった横浜は、平日が休みの不動産業や理美容業界
に割引券を配るなどの営業活動が奏功。担当者は「過去の4月の同カードのナイターと比
べて観客は2割増。予算をクリアできた」という。好調のヤクルトは、昨年より主催試合の
観客数が増えている。大型連休中の3試合では8万人以上を動員し、関係者は「平日のデ
ーゲームが4試合ですんだのが大きい」。巨人と西武は4月に本拠のドーム球場が使えな
かった。そのため主催試合が少なく、逆に影響は小さかった。巨人は3〜5日の本拠開幕
3連戦は連日満員。ただ、今後の試合はまだ空席が残っており、球団幹部は「開幕延期問
題の影響もあるのでは」と気をもむ。中日は「目に見える影響はない」という。
■競り合い続けば観客増も 球団経営に詳しい大坪正則・帝京大教授の話
震災前の経済状況の中でも、プロ野球は、試合前後に様々なイベントを組み込むなどの
経営努力の結果、利益を出したり、赤字を小幅に抑えたりして、選手にお金を出せる環境
にあった。今季も、要はこれから面白いゲームをみせられるかどうか。セ・パともに夏まで
団子状態を続けられれば、最後には観客動員も昨季より増やせるのではないか。
▽ソース:アサヒドットコム
http://www.asahi.com/sports/bb/TKY201105100115_01.html