☆「震災五月病」ご用心…連休中はゆっくり休息を☆
五月病の季節。今年は、東日本大震災の影響で、被災地以外の人にも不安や睡眠不
足が見られ、「震災五月病」になる恐れがあると専門家は指摘する。ゴールデンウイー
ク中はゆっくりと休息をとりたい。
神奈川県内のクリニックで診察にあたる精神科医の奥田弘美さん(43)のもとには最
近、「気力が出ない」「イライラする」などの抑うつ症状を訴える会社員や主婦、大学生
が増えている。
新入社員や異動・転勤したばかりの社員によく見られる五月病に加え、今年は、津波の
ニュース映像や余震、計画停電などでストレスを受け続けた影響があるという。
「黄金週間にまとまった休みをもらうことで緊張の糸が切れ、五月病が広がる恐れもある
」と奥田さんは見ている。
阪神大震災の際、子どもの心のケアに関わった東京女子大教授(臨床心理学)の前川あ
さ美さんも、「今回は原発事故や余震があり、『もう大丈夫』と言えない状況が長引き、被災
地から離れた人の心にも負担がかかっている」と話す。
「情報があっても活用できないため不安を持つ人や、『自分は被害に遭わず助かっている』
と罪悪感を抱いてしまう人もいます」という。
心の健康を守るために、どうしたらいいだろうか。前川さんによると、「休む」と「働く」のメリハ
リをつけた、生活のリズムを新たに作ることも有効という。また、「人と話したり、一緒に過ごし
たりすることも大事。人とつながることが心の回復に役立ちます」と話す。
この連休中に心がけることとして、企業などで心の健康について助言しているライフバランス
マネジメント研究所(東京)の代表、渡部卓さんは、「連休前半で寝てばかりいた人は、後半で
生活リズムを戻してほしい。朝、起きたら朝日をたっぷり浴びて」と話す。生活リズムが戻らな
いと連休明けに起きられなかったり、眠いまま働いたりして心身の不調につながりやすい。
家族や学生時代の友人など、職場以外の人とコミュニケーションを取ることも大切だ。「愚痴を
こぼすことはストレス解消のひとつです」。問題そのものは解決しなくても、気持ちが和らぐ。感
情を表に出すという点ではカラオケも効果的だ。
五感を刺激することもリラックスにつながる。近くの公園に出かけ、若葉を眺め、土のにおいをか
ぐと気分が軽くなる。スポーツ施設で汗を流したり、ヨガを楽しんだりすることでも気持ちが切り替
わる。
職場に戻ったら、連休中の出来事を話題にしよう。「仕事には無駄と思える雑談も、安心して働け
る職場づくりのため今の時期に必要」と渡部さんは話す。
▽ソース:読売新聞・大手小町
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20110503-OYT8T00180.htm?from=yoltop