☆潮干狩り、小さなアサリは採らないで「かわさきの浜」猛暑で育たず☆
昨年4月に解禁となった川崎市川崎区の東扇島東公園の人工海浜「かわさきの浜」での
潮干狩り。かつてアサリの産地だった川崎での半世紀ぶりとなる潮干狩りの復活は話題と
なり、ゴールデンウイーク(GW)には多くの人が足を運んだ。ところが、昨夏の猛暑の影響
で、今年は採取できる大きさに育っていないものが大半という。市は「小さなアサリは来年の
ために採らないで」と呼びかけている。
かわさきの浜では平成20年4月のオープン後、たくさんのアサリの自然発生が確認された。
市は、県海面漁業調整規則で定める採取可能な大きさ(2センチ以上)に成長するのを待ち、
昨年4月に潮干狩りを解禁。GW中は2万5600人以上の人が海浜を訪れるなど、大人気と
なった。
予想以上の人出があったため、市の調査で確認していた4カ所の観測ポイント(計4平方メ
ートル)のアサリの数は、昨年3月に3308個だったのに対し、6月には784個と減少。それで
も、8月には1万5652個と急増した。市港湾局港営課は「繁殖期ということもあり、数が増えた
と考えられる」と説明する。
しかし、昨夏の記録的な猛暑の影響で、アサリの数が激減。11月に行われた調査では、4カ
所の観測ポイントで12個しか確認されず、全滅に近い状態に。県水産技術センターの工藤孝
浩主任研究員は「猛暑に加え、海浜の場所は陸に囲まれている。そのため、水の流れが悪く、
水温が下がらずにアサリが死んだ可能性が高い」と指摘。港営課は「8月に急増したときは次
の年も大丈夫だと思ったが、猛暑は想定外だった」と振り返る。
今年2月に行われた調査では、秋口に生まれた稚貝を中心に2420個のアサリが確認され、
数では回復の兆しを見せた。だが、稚貝のため、アサリ1個の平均の重さが昨年3月の3・53
グラムに比べ、0・99グラムと小ぶりのものがほとんど。そこで港営課は、立て看板や市のホ
ームページで「2センチ以下のアサリは法令で採取できない」「1日に採取できる貝は1人2キロ
まで」などと、理解と協力を求めている。
今年のGWの人出は東日本大震災の影響などから予測が難しいが、港営課は大潮となる来
月3〜5日には多くの人が訪れる可能性があるとみている。
工藤主任研究員は「アサリは2センチ大に成長するのに1年ぐらいはかかる。来年以降につな
げるためにも、今回は特にルールを守って潮干狩りをしてほしい」と話している。
[2011.4.28 23:26]
▽ソース:MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110428/kng11042823260004-n1.htm ▽画像:昨年のゴールデンウイークに「かわさきの浜」で潮干狩りを楽しむ人たち
http://sankei.jp.msn.com/images/news/110428/kng11042823260004-p1.jpg