中国地方整備局は6月、広島、岡山両都市圏に設置した高性能の気象レーダー4基の試験運用を
始める。「ゲリラ豪雨」など局地的な大雨の予測精度が高まる。整備局は、レーダーを活用した避難
情報を、住民に効果的に伝える手法について検討を急ぐ。
レーダーは「XバンドMPレーダー」と呼ばれる。性質の違う2種類の電波で雨粒の大きさや形を把握し、
雨雲ができる過程や発達する様子をつかむ。風向きや風速も計測でき、天候の急激な変化や「ゲリラ
豪雨」を予測しやすくなる。
2013年度から本格運用する予定。それまでの試験運用では、レーダーの観測値と各地の雨量観測
所のデータを比較し、観測値の正確さを確認する。
さらに自治体と連携し、観測データの活用策も検討する。携帯電話のメールを使った住民への情報
提供などを想定。住民の避難誘導や災害による被害の軽減につなげる具体的な手法も研究する。
整備局は、人口が多い広島、岡山両都市圏をカバーできるようそれぞれに2基ずつ配置した。1基の
レーダーの観測範囲は半径60キロ以内と想定。当初は半径30キロとしていたが、試験運用で先行する
三大都市圏などでの実績を踏まえた。
高性能レーダーは、集中豪雨が発生した三大都市圏と北陸地方で09年度から配備が始まり、広島、
岡山を含めて全国で26基が設置されている。
ソース 中国新聞 2011.4.27
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201104270047.html 【写真説明】廿日市市野貝原山の鉄塔最上部に取り付けられたドーム状の気象レーダー(中国地方整備局提供)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn20110427004702.jpg