『 ボランティアに紛れ込む要注意人物 』
東日本大震災から1か月が経過し、被災地でのボランティアの受け入れが進んでいる。被害が広範囲に及ぶため、
首都圏や関西などからも多数が被災地入りするとみられるが、2007年の新潟中越沖地震などでボランティア活動を
行った関係者からは「要注意人物も同時に入り込む可能性がある」と指摘した。
岩手県災害ボランティアセンター(運営・岩手県社会福祉協議会)は今週末から県内各地のボランティアセンターが
県外からのボランティア受け入れするとの見通しを発表した。
そんな中、新潟中越沖地震などでボランティアリーダーを務めた20代男性がボランティアを利用した悪質行動に
警鐘を鳴らした。
「必ず、ボランティアをかたった悪質行動者が出てきます。例えば、新興宗教の信者がボランティアとして入り込み
布教活動を始めるといった事例は過去にも何度もありました」
すでに大都市では、週末のたびに悪質な宗教団体が義援金を集め、団体の資金源にしているという指摘があるのは
周知の通りだが、被災者の心のスキに入り込んでまで布教するとは、許せない話だ。
前出の元リーダーは「引っ越し詐欺にも要注意です。勝手にボランティアを称し、仮設住宅への引っ越しを無料で
手伝うとい言いながら『新品の家具や電気製品をお安くあっせんしますよ』と持ちかけ商売をする連中もいる。また、
この引っ越し詐欺を善良なボランティアが何も知らないで引き受け、気付いたら悪質行為に巻き込まれていたといった
ケースもある」と語る。
必ず出現するというこういったやからを排除するためにはどうすればいいのか。
「全国社会福祉協議会地域福祉部/全国ボランティア・市民活動振興センター」は「ボランティア同士で目を光らせ、
怪しい人物を見かけたら、各地の災害ボランティアセンターなどにすぐ通報してほしいです。また、災害ボランティア
センターの受付で住所や名前をキチンと登録していれば、ボランティアの人は名札や目印を身に付けているので、
それを確認してほしい」と説明する。
ちなみに、岩手県のボランティアセンターでは社会福祉協議会がボランティアにワッペンを配布するという。そういった
目印がないボランティアに注意するのが一番の対応策だ。
東京スポーツ 2011年04月16日
http://www.tokyo-sports.co.jp/hamidashi.php?hid=13200